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2010.04.28 (Wed)

同じ意味だぜ7つの言葉 移民国家フランス(2)

 まいったね。
 違う言葉が指す同じ意味には、まいったね。


 今回はアンタの語彙力を試させてもらうとしようか。


 ではまず、「シテ」。なんだかわかるかい。
 おう。パリの真ん中、ノートルダム大聖堂やらパリ警視庁やらがある地区のことをシテ島と呼ぶな。歴史は非常に古く、既に紀元前1世紀にはパリシイ族と呼ばれる人々が暮らしていた。これがパリという名の語源になったそうだ。
 そもそも「シテ」は「cite」(eは上にアクセント記号)と書く。英語で言えば「city」に該当するな。だから、一般に都市や町という意味を示す単語でもある。

 だが、文脈にもよるが、フツーにシテと言った場合、これは別の意味を指す。パリ郊外のボロい団地が建ち並ぶ地域、パリで生活する最貧困層の住む地域のことを、シテと呼ぶんだな。住んでるのは大方が移民だ。
 日本人が知らないのも当然、こんな地域のことはどのガイドブックにも載ってねえ。まかり間違って観光客が迷い込むようなことがあれば、身ぐるみはがされるのがオチだろうぜ。フランス人だってなかなか寄りつかねえところだ。
 移民流の呼び方では、語順をひっくり返して「テシ」となる。


 次。「ZEP」ってなんだ。
 レッド・ツェッペリンじゃないぜ。ライブハウスの名前でもねえ。
 「Zone d'education prioritaire」の略で、日本語にすれば「優先教育地区」となるかな。その名の通り、優先的に予算を付けたり教員を回したりする地区だ。
 と言っても、エリート校ってわけじゃねえぜ。むしろその正反対だ。学区内に貧しい家庭が多く、生徒の成績がひどかったり、落第や中退をする割合が高かったりする地域が選ばれる。

 このZEP、さっきのシテと、地域としては重なってくる。
 ZEP自体は、移民の数が多いから指定されるわけではない。生徒の学業成績、親の失業率、生活保護受給率、片親家庭の多さなどで決まる。
 だが、そうやって選ぶと移民の多く住む地域が自然とピックアップされてきちまうんだな。
 教室の中じゃ、誰も教師の言うことなんて聞きやしねえ。遅刻やサボりは日常茶飯事、校内暴力や少年犯罪も珍しくない。そういう荒れた地区だ。


 お次。「バンリュー・パリジェンヌ」って、わかるかい。
 パリジェンヌなんて単語が付いてると華やかな感じがするな、日本語の字面だけを眺めてると。新しい服のブランドか、はたまたケーキの名前なのかって。
 そうじゃねえ。パリジャン・パリジェンヌってのは、パリに住む男女を指し示す単語でもあるが、「パリの」という意味の形容詞でもある。男性名詞につく形容詞がパリジャン、女性名詞ならパリジェンヌになるんだな。
 で、バンリューとは郊外という意味。バンリュー・パリジェンヌとは、パリ郊外という意味だ。

 郊外という言葉自体は、都市の中心部とその郊外というように、位置関係を示す語に過ぎない。だが、いまのフランス語では、バンリューという単語には明らかに含意がある。上の二つと同様、移民の多く住む貧しい地域、治安が悪く犯罪の多発する地域、という意味合いだ。
 そもそも郊外ってのは、それなりに規模のある都市でなければ存在しない。人口1000人の村に郊外もヘッタクレもねえからな。パリ以外で言えばリヨンやマルセイユにもバンリューがある。そしてどこも同じカラーを持っている。家賃の安い団地が並んでいて、職にあぶれた肌の浅黒い移民たちが暇を持て余し、あんまり暇なもんで生活の糧を得るために犯罪に手を染めている、そういうイメージだ。


 だんだん見えてきたかな? 「HLM」はどうだい。
 こいつは「Habitation a loyer modere」の略。日本語に直訳すると「低家賃住宅」となる。これ、団地のことだ。
 単に団地と言えば、たとえば日本の団地なんか、特別に悪いイメージがつきまとうわけじゃねえよな。フランスでは違う。普通の家に住めない貧しい人たちが住むところ、という意味がもれなく付いてくる。住んでる人間の多くはやっぱり移民で、建ってる地域は町の中心部じゃねえことがほとんどだ。


 最後は3つまとめて行こう。「キャルティエ・ショー」「キャルティエ・ポピュレール」「キャルティエ・ソンシーブル」。
 キャルティエったって指輪で有名なカルチェじゃないぜ。quartierと書き、「地区」とか「界隈」といった意味だ。で、「ショー」は「暑い」、「ポピュレール」は「大衆的」、「ソンシーブル」は「敏感な・センシブルな」という意味になる。
 そう、これも全部、上の4つと同じような意味合い。移民が多く住む貧しい地域。マスコミなんかでそういう地域のことを報道するとき、まさか貧民街とは言えねえから、こういう呼び方をする。最近は「キャルティエ・ソンシーブル」が多く使われるようだな。


 ここまでに紹介した7つの言葉、意味はそれぞれに違いがある。ZEPは教育用語だし、HLMは住宅用語だ。
 だが、指し示す中身はみな同じ。フランスに住む人には、どれもだいたい同じようなニュアンスで受け取られる。
移民が住む貧民街、ってな。
 わかりやすい言葉で言い換えようか。「ゲットー」だ。


 前に書いたとおり、アラブやアフリカからの移民ってのは、1960年代前後を中心に、安価な単純労働力としてフランスに呼ばれてきた人たちだ。
 だが、当時っからパリには人が密集しててね。ヨソ者が住めるところなんてのは郊外、バンリューに掘っ建てるしかなかったんだな。とにかく数を押し込まなきゃならねえってんで、つくられたのは安普請の団地。それがHLMよ。
 日本で日雇い労働者がドヤ街に住むように、単純労働力の移民たちは都市郊外の家賃は安いが劣悪な環境で生活をさせられたわけだ。
 で、もともと給料は安く、誰もがしたがらねえ仕事をさせられた上に、不況になれば真っ先に首を切られる。そうなりゃ街はすさむさ。職の見つからねえ親父は息子をぶん殴り、息子は学校で教師をぶん殴る。だからZEPに指定されるわけだ。しまいにゃ学校を飛び出し、盗みにタタキ、果てはドラッグに手を染める。
 当然、世間の鼻つまみ者だ。だれもシテには、バンリューには、キャルティエ・ソンシーブルには寄りつかねえってわけよ。


 だが、考えてもみてくれ。もともとフランスに移民を呼んできたのは誰なんだ。自分たちのしたくねえ仕事を押し付けてたのは誰なんだ。不況だからハイさようならと仕事を取り上げたのは誰なんだ。
 フランスだよ。フランス人だよ。そりゃねえぜ。


 なあアンタ、なんだってフランスには、ゲットーを示す言葉が6つも7つもあるんだと思う?
 事態を直視してねえからじゃないかと、番長には思えてならねえのよ。
 そうやって言葉ばっかりイタズラに増やして、コトの本質から目をそらしてるんじゃねえかってな。

 このことばかりじゃねえ。
 たとえばフランスには、人種や民族別の統計が存在しない。差別を助長するからだそうだ。宗教別の統計もない。政教分離の原則に反するからだそうだ。だから、国内に何人のモロッコ人がいて、何人のユダヤ人がいるのか、何人のイスラム教徒がいるのかも、まったくわからない。
 これなんかも番長には、同様に現実を見据えていない現れのように思えてならねえぜ。


 いや、まいったね。
 フランスにはゲットーがある。しかも、大都市のまわりに山ほどある。まずはそれを認めるところから始めてもらいたいぜ。




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テーマ : フランス ジャンル : 海外情報

11:00  |  俺節フランス  |  トラックバック(0)  |  コメント(25)  |  編集  |  上へ↑

*Comment

フランスって、地区で色分けされてるんですね。
住んでる地域で、所得や教育水準がハッキリ区別されんでしょうね。
まあ、そんなところに、国としてのほころびがあるのかもしれませんが…

日本でも、フランスで言うところの低所得者の人はたくさんいると思いますが、だいたいは一般の人と同じように公共団地に住んだりしてる人が多いのではないでしょうか。
だから住んでる地域などの見た目で判断されることはまず無いし、そのことで差別されることもあまり無いと思いますよ。


あ |  2010.04.28(水) 16:32 |  URL |  【コメント編集】

フランスのこういった問題は毎日ニュースで取り上げられますよね。
こんなに呼び方があったんですね、興味深いです。

私はパリ市内の北に在住ですが、アフリカ、インド・パキスタン系、
旧マグレブ・アラブ人がたくさん住んでいて、
スーパーやパン屋でもよくお釣りをちょろまかされます。笑

『おしゃれなパリ!』といっている日本人の子猫ちゃんは
『移民街・パリ!』 の存在を知る必要がありますね。

特に日本向けのフランス観光局の旅行のイメージポスターに
白系フランス人を起用してる事も本来『移民国家フランス』
の矛盾を表しています。

話は脱線してしまいますが、
フランスはかつてあの血気盛んな民族達(主にマグレブ・アフリカ)を
植民地にしていただけあって、やはりなかなかずる賢く、
日本人とは相対する国家だと感じます。
Yoco |  2010.04.28(水) 17:09 |  URL |  【コメント編集】

■「テシ」は初耳でした

フランスは結局、貴族のための貴族の国。
階層によって、住むところはもちろん、買い物、移動、ライフスタイル、すべてが違って、決して交わることはない。
一般人がブランド品を買いあさる日本から来ると、ピンとこない話かもしれませんね。
さつき |  2010.04.28(水) 17:18 |  URL |  【コメント編集】

先日からの移民国家特集、興味深く読んでおります。私も常々同じ事を思っていました。

先祖代々フランス人の友達(♂)は、いい人なのですが気持ちの根底のところで移民をよく思っていないのですよ。自分でも気付いていないのでタチが悪い・・・「日本人は特別だけど」と言われた時には、微妙な気持ちになったのを覚えています。「移民が悪い事ばかりする」と言うので「移民を30~40年前に大量に受け入れて働かせて、でも未だに差別や区別をするのはあなた達フランス人でしょう?」と言ったら反論なしで黙っていました。

スラブ系移民2世のフランス人の友達(♀)は、見た目白人ですが名前(名字も名前も)でまず区別されるそうです。小さい頃からの事で差別ではないけど、子供の頃は嫌だったと。家も19区、アパート内は好きだけど地域は嫌いだと。女性なので危険だと言っています。

たまに日本で本屋に並んでいるお洒落フランス系の本を立ち読みするのですが、綺麗な白人、こんな所に住めるのかっつーお洒落なお家、お菓子やお料理の写真の羅列でむしろびっくりします。あんなの見て信じてフランスに来た時にゃーそりゃ鬱にもなりますよ・・・。

お洒落パリが好きな女性達は、パリで自分達の仕事もお洒落に出来る(特に事務仕事がいい)と思っていますが、実際は私達、移民でフランス語を話せない外国人ですからねぇ、する仕事は決まってきますよ。

なんだか皮肉屋でネガティブになってきた自分にorz
姉御 |  2010.04.28(水) 18:29 |  URL |  【コメント編集】

■あ さん、押忍!

 うーむ、まあ地区によって貧富の差があるのはアメリカも同じだし、日本にも目に付きにくいとは言えそういう部分はあるわけだが。フランスの場合は、あからさまにゲットーがあるにもかかわらず、変に取り繕ってるような感じを受けるんだよな。まあさ、ぶっちゃけて言っちまえば、日本だって公営住宅や文化住宅に住んでる方々ってのは決して楽な生活をしてない人が多いさ。ただ、フランスの場合、それが移民に偏ってんのよ。その点アメリカはやっぱり凄いな。フランスでアラブ系が大統領になる日ってのは、まあ考えられねえもんな。
フランス番長 |  2010.04.28(水) 18:49 |  URL |  【コメント編集】

■Yocoさん、押忍!

 パリって街自体、郊外まで行かなくても、どう考えても治安のいい都市じゃねえからな。多くの日本人が勘違いをしてると思うが、フランスで最も治安の悪い街と言えば間違いなくパリだ。ヨーロッパ大陸一かもしれねえ。ローマと競るかな。まあさ、ここは嫌フランス白人サイトでもなけりゃ、親移民サイトでもねえ。移民の側にだって色々と問題はあろうさ。しかし、たとえばアメリカにひどい人種差別がある(あった)ことに比べて、フランスにそういうイメージを持ってる人ってのは少ないんじゃねえかと思うのよ。番長は親米でもねえが、しかしあの国は人種問題に関しては、自らの恥部をきちんと世間に晒したからな。フランスってのは確かにずるがしこいんだよなあ。
フランス番長 |  2010.04.28(水) 18:54 |  URL |  【コメント編集】

■Re: 「テシ」は初耳でした

 さつきさん、押忍! フランスの階層(階級)社会っぷりってのもまた、あまり知られてねえよな。ところで「テシ」だが、逆さ言葉ってヤツよ。vas-y(バズィ)がzy-va(ズィバ)になる、みたいな。
フランス番長 |  2010.04.28(水) 18:57 |  URL |  【コメント編集】

■姉御、押忍!

 そうなのよ。あからさまな差別主義者ならいざ知らず、フツーにいい人たちが移民のこととなると差別意識を出してくるってのにはホント、まいっちまうよな。都合の悪いことを移民のせいにしちまう。犯罪が多いのも、不況なのも、果ては出生率が上がったというような明るい話題についても。そしておっしゃるとおり、名前の問題というのも根深いものがあるようだねえ。フランス人同士ですら、名字によって出自や階層がわかったりするようだからな。あいにく番長、ド付きの名字(ドビルパンとかの)くらいしか判別できねえが。総じて言って、なんにも知らない日本の子猫ちゃんたちにもそりゃあ問題なしとはしねえが、むしろイライラすることが多いが、しかしフランスやフランス人の手練れっぷり、老獪さが突出してるってとこもあるんだろうな、と思わずにはいられねえぜ。
フランス番長 |  2010.04.28(水) 19:12 |  URL |  【コメント編集】

他国の人間の営みや文化の背景をを判断するとき、
そのすべての展望を理解できる人はほんとうにごくわずかです。
そのくらい難しいことです。

いつも番長さんの記事はフランスの現状を取り上げたもので感心いたします。
しかしながら前提として重要なのは、
批評する番長さんが(日本をとてもよく思っている)日本人であり、
番長さんがどういう活動をフランスでしていらっしゃって、どういうフランス社会と関連があって、どういう思想のフランス人と関連をもっていらっしゃるのか、
ということです。
ご存知の通り日本と比較すれば、フランスには様々な思想と社会があります。
そのため常にどこかで討論やさまざまな方法での主張が展開されています。

>事態を直視してねえからじゃないかと、番長には思えてならねえのよ。
 そうやって言葉ばっかりイタズラに増やして、コトの本質から目をそらしてるんじゃねえかってな。

と思われるのは、番長さんがそういう思想をもつフランス人と付き合っていらっしゃる機会が多い、
あるいはそういうフランス人が構成する社会にいらっしゃるのではないかと推測します。
右寄り、経済主義、統一主義、日本に近い思想もしれません。

>フランスに移民を呼んできたのは誰なんだ。自分たちのしたくねえ仕事を押し付けてたのは誰なんだ。不況だからハイさようならと仕事を取り上げたのは誰なんだ。 フランスだよ。フランス人だよ。そりゃねえぜ。

たしかにその通りです。
しかし日本人は、他民族を自国に入れることすら拒否反応を示す続けています。
少数の韓国人、中国人、原住民族との間だけでも大きな差別問題に発展しています。
国際的にみてまだまだ血統主義的な日本人が、
その感覚のままでみるフランスの社会問題というのは、
ときに非常に浅はかな分析になるように思います。

左寄り、社会主義、共産主義、あるいは無主義のフランス人の意見を入れてみてはどうでしょうか。
この混沌としたフランスの社会の状況への私見が、もっと深みを増す気がいたします。

※chaudというのはときに「やべえ」というニュアンスで使われますね。
 その意味だと「やばい界隈」という、まさに否定的意味合いでしょうか。



花畑牧場 |  2010.04.28(水) 23:30 |  URL |  【コメント編集】

前回に引き続き、興味深いお話をありがとうございます。
そしてごめんなさい、前回わたしが書いたコメント、先走ってましたね・・・

皆さんがおっしゃる様に、「フランス」、「フランス人」って千差万別で、
実際に住んで生活してみないと、色々と見えてこないですよね。
でもそれも前回番長が指摘された通り、同じ在仏日本人であっても、
おかれている場所(階級)によって全く違う。16区の素敵なアパルトマンに
お住まいの駐在員の方には、移民国家の実態があまり見えないでしょう。
逆も然りで、学生やお金に余裕がない方達には、日本人観光客が押しかける
「マカロンのおいしいお店」には、あまり行く機会がないでしょう。

でも、日本にいた時もそうでしたよ。駐在員で来ている外国人と、
工場で働きながらで生活している外国人との間には、「壁」がありました。
しかも日本人は、「外国人=欧米人」のイメージが強すぎませんか?
わたしの仏人夫も、何度面と向かって「アメリカ人?」と言われた事か。
それに「ガイジン」って単語、個人的に好きではないです。

あ、またしても先走りコメントになってませんか?だとしたらすみません。
でも、この点についても、番長の意見をお伺いしたいです。
えみり |  2010.04.29(木) 03:18 |  URL |  【コメント編集】

 番長さんこんにちは。番長さんの「俺説フランス」の切り口はとても興味深く、いつも楽しく拝読しています。ごく身近な人達との関係、国内にいる移入民との関係、外国との関係(外交関係)、どれも「けじめ」のある付き合いが必要ですね。他者との間にどの程度の閾値を設けうるか、寛容さと拒絶とのバランスは難しい問題だと思います。日本のことに引き付けて考えると、移入民に対して権利の安売りはするべきではないと思いますが、殊更に不寛容な立場をとる必要もなく、慎重な寛容さを忘れずに接してゆければと思います。自分の価値観を見失わずに、尚且つ、多様な文化を尊重する。エマニュエル・ドットや梅棹忠夫ではありませんが、日本は東アジア周辺国とは相当異なる社会です。或いは将来、日本も(東)アジア諸国からより多くの移入民を受け入れることになるかもしれません。どのように他者と接するか、フランスと日本では、与えられた国際環境は違いますが、番長さん、これからも色々な話題を提供してください。
rqrq |  2010.04.29(木) 14:40 |  URL |  【コメント編集】

フランスって社会党系の政権が長かったから、移民には寛容な国だと思ってましたけどね…。
やっぱり現実は、見えない区別という壁がありそうですね。

アメリカとフランスは長年関係が良くなかったですけど、資本主義の中心のアメリカの方が差別問題に積極的だというのは、本当に皮肉な結果ですよね…
く |  2010.04.29(木) 15:15 |  URL |  【コメント編集】

犬の糞もそうですわね・・・。
口を揃えて「彼等の仕事を奪わない為に」とか言って、そこら中が糞だらけでしたね。
「仕事を与えてやっている」という考えの中には、すり替えられた色んな意味が入ってますよね。(メンドくさいから書かないけどw)
仕事も区分けされていて、この言葉を発して「当然の行為」で自分の国に糞を撒き散らし、手を汚さず、移民労働者にいいことしてやった気分・・・。
これぞまさに番長さんの仰る「フランス人の手練れっぷり、老獪さ」ですわね。
でも最近は少しは犬の糞は少なくなったのかしら?w
ももくそ |  2010.04.29(木) 17:07 |  URL |  【コメント編集】

■たくさんの意見、すごいですね

フランスではいろいろな肌の色の人が同じ職場で問題なく働いている、と言われることがあります。確かにそれはフランス社会の一面だと思います。ただそれは「良い移民」と見られる人々の風景だと言えなくもありません。現実にはせっかく頑張って大学で勉強しても、移民系の名前を持っているということで就職面接にすら呼んでもらえないとか、せっかく医師免許をとってもインターンのポジションが得られないとか、まともに住宅を借りることができないとか、そういう差別の現実があります。そしてゲットーに押し込められて、実質的に無視され続けてきた移民系の人々がいます。社会や政治が「コトの本質から目をそらしてる」ということのつけはいろいろな形で現れるでしょう。まずは番長が言われるように「事態を直視」することから始めるべきだと思います。
それにしても今の大統領閣下は、2005年の暴動の際、移民系の若者たちを指して“la racaille”という強烈なレッテルを貼り、彼らを“karchériser”すると言った人ですからね。(「暴動行為は許しがたい」と言うのであればまだしも。)言ってみればこの歴史的な問題に対する認識とか責任感が欠けていると言われても仕方ないと思います。
triolet |  2010.04.29(木) 21:03 |  URL |  【コメント編集】

■花畑牧場さん、押忍!

 おっと、番長、(日本をとてもよく思っている)風に見えちまったかな。だとしたら本意じゃねえぜ。もっとも、うちの記事はフランスの妙ちきりんなところを切り取って取り上げることが多いから、相対的には日本を褒める形になっちまってることが多いのは否めねえかもしれねえな。なんせ一連の記事を通しての目的が、日本に蔓延する幻想のフランスを打破しようってところにあるもんでね。まともなフランスをまともに褒めてるサイトだ書籍だは他にゴマンとあるから、ここでは別の視点を紹介させてもらおうかなってことなのよ。番長が期待するのは、番長の言い分を肯定してもらうことじゃなくって、番長みたいな見方もあるんだなあ、と知ってもらうことなのよ。そこんとこ、キャトル・シス・キャトル・ヌフ!
 さて、それを前提としてなんだが。番長の付き合う中にも、あるいは目にする中にも、花畑牧場さんがおっしゃるような、左より、社会主義、共産主義ってのはちといねえが、はやりのエコロジスト、無宗教主義なんてもいるぜ。ダライ・ラマ大好きっ子もいる。ところが、全部が全部とは言わねえ。そういう、世間で言うリベラルな人、進歩的な人の中にも、とりわけアラブ系の移民に対しては、底辺で蔑視していたり、ささくれだった感情を持った人がいる、それも少なくないというのが番長の実感なのよ。たとえば治安の問題に関して、あのあたりは移民が多いから、って簡単に言うような感覚。もし花畑牧場さんがフランスに住んでらっしゃって、なおかつ移民に対して寛大なフランス人しか見たことがねえってんなら、そりゃやっぱり市井の感覚からはズレてんじゃねえかな。
 あるいは、PS(社会党)にしてもヨーロッパ・エコロジーにしても、じゃあ移民に対して有効な手だてを打ってきたか、掲げているかと問えば、全然そんなことはないようだな、ってのが番長の意見なのよ。移民に対して正面から取り組んでる政党ってのは、番長の見る限りFNだけだぜ。方法論はともかく、連中は問題の所在から逃げることはしてねえからな。
 おっしゃるとおり、日本にも問題はたくさんある。まあ、日本にはフランスみたいなゲットーはないが。ともあれ、アメリカにもイギリスにも、ロシアにもサウジアラビアにも、中国にもインドにも、カナダにもオーストラリアにも問題はある。だが、番長がここで取り上げてんのは、取り上げたいのはフランスなのよ。ヨソサンと比較することに意義がないとは言わねえが、そいつはサルコジの手法を思い起こさせるぜ。野郎はリーマンショック後のテレビ演説で、確かにフランスの失業率はひどい、だがスペインの失業率はもっとひどい、という言い方をした。それを聞いて番長思ったぜ。ああそうかい、だったらどうした、ってね。どこの国がどうだろうと、フランスはフランスだぜ。
 ところでキャルティエ・ショーに関するニュアンスだが、まさにおっしゃるような意味合いだと思うぜ。基本は否定的。でも、若者文化になると否定的な意味合いばっかりでもなくなってくるんじゃねえかな。まさに「アツい」みたいな。日本でも「このTシャツのデザイン、超ヤバい」なんて褒めたりするからねえ。
フランス番長 |  2010.04.30(金) 17:22 |  URL |  【コメント編集】

■えみりさん、押忍!

 いやいや、コメントに先走りも後ずさりも何もないのよ。おっしゃることはまったくその通りだと思うぜ。番長は別にマルクス主義者じゃねえが、実際のところ社会ってのはどこへ行っても階層に分かれてんだよな。日本ってのはそれが見えにくいじゃねえか。だからフランスでバンリューの問題を目の当たりにすると、色々なことを考えさせられるんだよな。日本でも見えねえだけでコトの本質は同じなんだな、とか。そういう意味じゃ、お互い様って面も多々ある。白人の代表はアメリカ人で、黄色人種の代表は中国人なんだろう。ところで、話は変わるが。番長、ユーロディズニーもといディズニーランドパリに出掛けたときに思ったんだが、あれだけ黒人が多いパリにあって、ディズニーランドには黒人がほとんどいなかったんだよな。他にも考えてみると、黒人の観光客ってあんまり見かけねえ気がすんのよ。今や収入だけなら多い黒人だってたくさんいそうだが、なんなんだろうね。番長の思い過ごしかな?
フランス番長 |  2010.04.30(金) 17:24 |  URL |  【コメント編集】

■rqrqさん、押忍!

 お褒めをいただき恐縮だぜ。それはともかく、いやあ、番長まったく同意見よ。「慎重な寛容さ」ってのはいい言葉だなあ。外国人に対してことさら敵意を示す人や、心の奥底にささくれを持ってる人を見ると番長が思うのは、そんなにビビんなくてもいいだろってのが一つ。ついで、じゃあ同じ国に生まれた人間だったら誰でも信用できるのかよってのが一つ。誰に対してだってフツーに接すりゃいいじゃねえか、フツーに。で、ああこの人は信頼に足る人だなと思ったら付き合えばいいし、その結果として友だちに外国人が少なくなったってんなら、そりゃあそれでいいだろうさ。人を殺しちゃいけないのは、人に殺されたら困るからじゃねえか。フツーに受け入れてほしかったら、フツーに受け入れようぜ。
フランス番長 |  2010.04.30(金) 17:29 |  URL |  【コメント編集】

■く さん、押忍!

 確かに社会党系の政権は長かったんだが、こりゃもちろん番長の私感だが、総じて言って移民政策では大した違いはないね。アメリカってのもいい加減しょうがねえ国だと思うが、あの国はあけすけじゃねえか。フランスって隠すんだよな、老獪に。たとえばフランスには、人種や民族別の統計ってのが存在しない。ユダヤ人が何人いるか、イスラム教徒が何人いるかもわからない。これ、差別の助長を防ぐためだそうだが、そういう姿勢で本当に差別ってなくなるのかねえ。
フランス番長 |  2010.04.30(金) 17:30 |  URL |  【コメント編集】

■ももくそさん、押忍!

 犬のフン、番長に言わせりゃまだまだ多いが、それでもずいぶん少なくなったらしい。フランス人のマナーが劇的に向上したなんてことは到底考えられないが、あるいは不況でペットを飼う人も減ったのかねえ。もっとも、日本って国もフランスとはまた別の意味で老獪というか、こすっからいところがあるからな。世間体を気にするなんてのも、人様のためというよりは、自分がよく思われるためだよなあ。つまるところは身びいきなわけで、ひょっとすると似たもの同士なのかもしれねえぜ!
フランス番長 |  2010.04.30(金) 17:32 |  URL |  【コメント編集】

■Re: たくさんの意見、すごいですね

 trioletさん、押忍! フランスにおける「良い移民」ってのが、フランスにとって「都合の良い移民」になっちまってるのが、どうも引っかかるんだよなあ。どこの国だって優秀な人材はほしい。フランスもそうだ。だから、高等な学問を修めていたり、特殊な技術を持っていたり、サッカーのファンタジスタだったりする移民はもちろん重宝がられる。パピエ(滞在許可証)ももらえる。ところが現実には、おっしゃるように見えない差別があるわけでね。もちろん現在のフランスでは、人種や民族によって雇用を制限することは厳しく禁止されているが、しかし実際には移民だったら雇わない、バンリュー出身者は雇わないって会社が多いというのは、よく報道されているところだ。こういう差別を「ディスクリミナシオン・パッシブ」(消極的差別)なんて呼ぶようだが、政府の移民に対する態度を如実に反映してると思うことしきりなのよ。
フランス番長 |  2010.04.30(金) 17:33 |  URL |  【コメント編集】

ご返答ありがとうございます。
花畑牧場はフランスの公的機関に属しておりますゆえ、ここに住む、おそらく超貴族、超金持ち以外の様々な階層の、様々な年齢の方にお会いできる機会に恵まれております。

「日本に蔓延する幻想のフランス」というのはフランスの長所ばかりを強調した極端な見方ではあると思います。
しかしながら、その逆、フランスの奇妙さという短所を強調してばかりというのも、ある視点から見ると全体性を欠くものであって、結果前者と後者は同じレベルになるのではないかと思います。
わたしには番長さんは「日本中心、日本支持」に感じます。「日本じゃあ~だが、フランスはひでえ」というのが典型な語り口なので。
本意ではなかったら残念です。申し訳ありません。
わたくしが申し上げたいのは、番長さんが日本人の観点を基本としてフランスをみた意見をおっしゃっているように思う、ということです。
番長さんはフランスをフランスの現状だけで客観的に述べているようにおっしゃっていますが、そこに番長さんが良い悪いの評価を下していらっしゃる以上、なにかとの比較があるはずです。その比較対象はいつも日本であるように思います。
逆にその番長さんの評価の真偽性を高めるのであれば、日仏以外いくつかの国の現状と比較されたほうがなおいいかもしれません。

パリのリベラル、エコロジスト、ダライラマ好きって、推定ですがBOBOの人達が多いような印象をうけます。結局富をそれなりに持つ人達が左寄りの感覚をお洒落に用いるというニュアンス。
前回のコメントでは政治以外に、フランスの状況に問題をもつ左寄りの民間の人々がどのような意見をもっているかということも加味しては?という意見を申し上げたかったのです。
さらに、多くの国々からの移民たち、彼ら自身と話をすると、様々な意見がありますよね。
歴史的な植民地時代の話もそうですが、一言にフランスの植民地支配が悪いと結論付けられるようなシンプルな問題ではなく、祖国や祖国に残した家族への思いや、現在の生活の基盤であるフランスに対する思いというのは、なかなか複雑なものなようですね。

そうそう、Ile de Franceの住人の国籍や移民の割合の出した統計をみたことがあります。随分前のことでそれが公的な統計なのか否か、どこの機関のものなのか定かではないのですが。機会があればまた調べてみたいと思っております。

「chaud」は若いこの間で使われますが、もちろんいい意味でも使いますね。
「c'est chaud!」は頻出若者語ですね。



花畑牧場 |  2010.04.30(金) 22:48 |  URL |  【コメント編集】

日本側・イム側、どっち側でもいいじゃない(爆)(←ヨッパ)
過去の番長さんの記事を全て私は読んだけど、日本人の視点から忠実に意見を言っているように感じました。(だって日本人だもの♪)
ちゃんとフランスには適わないって所も記事にしていて、共感します。

>フランスの奇妙さという短所を強調してばかり
そんな意見もあっていいじゃない。
読み手側がどう受け止めるのか、フランスLOVEな人ならさっさとこのブログは閉じてしまうか、コメで反論すると思います。
でもここでコメしている方々の内容を見てみると、どちらにも偏っていない気がします。

愛するフランスを汚されたくない、自分の知っているイムをちゃんと分って欲しい気持ちは痛いほどわかります。

私もイムネタをお笑い感覚で書いていますが、ちゃんとそこには愛があります。
番長さんの記事からもちゃんと愛がひしひし伝わってくるんだけどな~。
お邪魔しました。

かなり酔ってコメしています。
なのでメンドーなので消去して下さいw
失礼しましたー。
ももくそ |  2010.05.01(土) 01:48 |  URL |  【コメント編集】

■花畑牧場さん、再び押忍!

 番長の記事を読んでどう感じるかは読んだ方の自由。その点について番長がこういう意味だああいう意味だと四の五のゴネるつもりはないぜ。しかし、このサイトなんてのはフランス関連の中じゃあ極北。世の中にはフランスに関するサイトがいっぱいあるが、番長が知る限り、日本人のフランス幻想打破ってテーマで書いてるのは一つこっきりだぜ。あるいはフランスに関して書かれている日本語の本ってのも山のようにあるが、同じようなテーマの本ってのはまあないよな。そういう全体で見たときにバランスが取れてりゃそれで良かろうってのが番長の考え方よ。フランスのいい面・フツーな面について主に書かれたサイトは他を当たってもらえりゃいいし、それこそ花畑牧場さんが書いてくれよな。こりゃ皮肉とかじゃなくて、それだけたくさんのフランス人と接してらっしゃるってんなら、番長なんかよりよっぽど面白いモノが書けるだろうぜ! ぜひ読ませてくれよな。
 それから、番長はもちろん日本人だから、日本人としての立ち位置からモノを書いてるぜ。客観的に書いてると断ったことは一度もねえし、その気もねえよ。学者さんじゃねえんだから。ていうかよ、そもそも「フランス番長」なんてキャラを立ち上げてやってんだぜ? ハッハッハ、客観的なわけないじゃねえか。そういうのをお求めの方は、やっぱり他を当たってもらった方がいいと思うぜ。申し訳ねえな、お役に立てなくて。
フランス番長 |  2010.05.01(土) 09:45 |  URL |  【コメント編集】

■ももくそさん、押忍!

 番長の気持ちを代弁いただいてありがとうよ。コメント欄では何度も繰り返してるが、番長決して「嫌フランス」じゃねえのよ。ただまあ、どうも日本でのフランス評価ってのが一定の方向だけに偏ってる気がするんだな。せっかくこうしてフランスに関することを書くんなら、他のみなさんと同じようなことを書いたって誰の得にもならねえじゃねえか、ってことで、フランスとんでもねえぜ!みたいな記事が多くなっちまってるのは、こりゃ事実だろうぜ。おっと、コメント消去をご希望のようだが、もったいないんで活かしておくぜ。もしアレだったらまたご連絡をいただければ消しておくんで、キャトル・シス・キャトル・ヌフ!
フランス番長 |  2010.05.01(土) 09:50 |  URL |  【コメント編集】

■承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
 |  2012.07.02(月) 20:36 |   |  【コメント編集】

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