2009.12.27 (Sun)
キーボードも俺を翻弄しやがる
まいったね。
フランスのパソコンには、まいったね。
いつもオレを翻弄するフランスだが、本来ヒトの忠実なしもべであるべきパソコンまでもが、揺さぶりをかけてきやがる。
特にまいっちまうのが、キーボードの配列よ。
論より証拠、まずは実物を見てもらおうか。

よーく見てくれ。
いきなり「Q」と「A」の位置が違ってるだろ。
Qと言えば問い、Aと言えば答え。問いと答えの位置を交換だなんて、アングロサクソンの帰納法に対して大陸式の演繹法の意地見せたる、ってことか?
……意味がわからない御仁は無視を決め込んでいただければ幸いだぜ。本人にもよくわかんねえんだから。
いや、確かにフランス語の文章では、「Q」は頻出するのよ。
英語でいうところの疑問詞のwhatやwho、関係代名詞のthatに当たる単語が、queだのquiだのって全部「Q」を使うからな。
でもって、その「A」のとなりを見てくれ。
「Z」となっているが、ここは本来、「W」が入るところだわな。
ところがフランス語では、「W」って使わないのよ。外来語にしか。冷遇されちまったな。
キーボードの文字配列を称して「QWERTY」なんて言うけど、フランスじゃ「AZERTY」なのよ。
おっと、アザーティじゃねえぜ。アズルティって読ませるのがフランス流だとさ。
続いて右部分を見てもらおうか。

下から2列目のいちばん左端、「N」にご注目。隣にクエスチョンマークがあるよな。これ、本来なら「M」が来るところだが、ひとつ上の列にある「L」の隣に移動してるのよ。
そう大して使いもしねえセミコロンがなんでホームポジション、キーボードを叩こうと構えたときに最初に指を置くところにあるんだこのヤロウ、という発想なんだろうぜ。
ま、英語に比べるとフランス語でセミコロンを使う機会ってのはあんまりなくて、単なるコロンを使うことの方が多いからかもしれんな。にしちゃあコロンの位置も優遇されてるとは言い難いがよ。
と、ここまではキーボードを見ただけでもわかる話。
もっと恐ろしいことがあんのよ。
キーボードの上から2列目、数字の列を見てもらおうか。たとえば「7」のキーを押すとどうなるか。
「e」の上にアクセント記号が乗っかった文字が入力されちまう。
実は、数字はぜんぶ、Shiftキーを押しながらじゃないと入力できねえ。
やってみりゃわかるが、これは実にまだるっこしい!
特に、暗証番号やらパスワードに数字ってよく使うじゃねえかよ。ああいう、自分が何を入力したかが画面上ではわからない場合なんてのは、実に難儀するぜ。
さらに面倒なのが「@」、アットマークの入力。
インターネットの普及以来、メールアドレスの入力なんかで欠かすことのできねえ記号だわな。
場所はわかるだろうか。数字のゼロのところにあるだろ?
ところがこれ、普通に押すと「a」の上にアクセント記号の乗ったヤツが出てきちまう。
じゃあどうやって入力するかってえと、なんとAltキー、しかも右側にあるヤツ限定だ、左のはダメだぜ。これを押しながら打つという、なんとも一見様お断り的なやり方になってるのよ。
番長もしばらくはやり方がわからずに、アットマークは毎回コピペしてたもんな。
ほかも上げればキリがねえが、記号の類はほぼ英語キーボードからは総とっかえになってると言っても過言じゃねえのよ。
ちなみにこの写真のキーボード、

ご覧の通り、マイクロソフト社製。
コッテコテのアメリカ文化と思われがちなパソコン世界の巨人も、フランスの前にはシャッポを脱いだってか。
日本語キーボードのひらがながそうであるように、既にあるキーに独自の文字を割り当てるということは、他の言語でもある。
しかし、アルファベットや数字といった、キーボードの根幹にあたる部分の配列をここまでいじってるのはフランスくらいのようだな。
なんともはや、フランスらしいぜ。
いや、まいったね。
今日も番長はタイプミスに泣かされてんのよ。

フランスのパソコンには、まいったね。
いつもオレを翻弄するフランスだが、本来ヒトの忠実なしもべであるべきパソコンまでもが、揺さぶりをかけてきやがる。
特にまいっちまうのが、キーボードの配列よ。
論より証拠、まずは実物を見てもらおうか。

よーく見てくれ。
いきなり「Q」と「A」の位置が違ってるだろ。
Qと言えば問い、Aと言えば答え。問いと答えの位置を交換だなんて、アングロサクソンの帰納法に対して大陸式の演繹法の意地見せたる、ってことか?
……意味がわからない御仁は無視を決め込んでいただければ幸いだぜ。本人にもよくわかんねえんだから。
いや、確かにフランス語の文章では、「Q」は頻出するのよ。
英語でいうところの疑問詞のwhatやwho、関係代名詞のthatに当たる単語が、queだのquiだのって全部「Q」を使うからな。
でもって、その「A」のとなりを見てくれ。
「Z」となっているが、ここは本来、「W」が入るところだわな。
ところがフランス語では、「W」って使わないのよ。外来語にしか。冷遇されちまったな。
キーボードの文字配列を称して「QWERTY」なんて言うけど、フランスじゃ「AZERTY」なのよ。
おっと、アザーティじゃねえぜ。アズルティって読ませるのがフランス流だとさ。
続いて右部分を見てもらおうか。

下から2列目のいちばん左端、「N」にご注目。隣にクエスチョンマークがあるよな。これ、本来なら「M」が来るところだが、ひとつ上の列にある「L」の隣に移動してるのよ。
そう大して使いもしねえセミコロンがなんでホームポジション、キーボードを叩こうと構えたときに最初に指を置くところにあるんだこのヤロウ、という発想なんだろうぜ。
ま、英語に比べるとフランス語でセミコロンを使う機会ってのはあんまりなくて、単なるコロンを使うことの方が多いからかもしれんな。にしちゃあコロンの位置も優遇されてるとは言い難いがよ。
と、ここまではキーボードを見ただけでもわかる話。
もっと恐ろしいことがあんのよ。
キーボードの上から2列目、数字の列を見てもらおうか。たとえば「7」のキーを押すとどうなるか。
「e」の上にアクセント記号が乗っかった文字が入力されちまう。
実は、数字はぜんぶ、Shiftキーを押しながらじゃないと入力できねえ。
やってみりゃわかるが、これは実にまだるっこしい!
特に、暗証番号やらパスワードに数字ってよく使うじゃねえかよ。ああいう、自分が何を入力したかが画面上ではわからない場合なんてのは、実に難儀するぜ。
さらに面倒なのが「@」、アットマークの入力。
インターネットの普及以来、メールアドレスの入力なんかで欠かすことのできねえ記号だわな。
場所はわかるだろうか。数字のゼロのところにあるだろ?
ところがこれ、普通に押すと「a」の上にアクセント記号の乗ったヤツが出てきちまう。
じゃあどうやって入力するかってえと、なんとAltキー、しかも右側にあるヤツ限定だ、左のはダメだぜ。これを押しながら打つという、なんとも一見様お断り的なやり方になってるのよ。
番長もしばらくはやり方がわからずに、アットマークは毎回コピペしてたもんな。
ほかも上げればキリがねえが、記号の類はほぼ英語キーボードからは総とっかえになってると言っても過言じゃねえのよ。
ちなみにこの写真のキーボード、

ご覧の通り、マイクロソフト社製。
コッテコテのアメリカ文化と思われがちなパソコン世界の巨人も、フランスの前にはシャッポを脱いだってか。
日本語キーボードのひらがながそうであるように、既にあるキーに独自の文字を割り当てるということは、他の言語でもある。
しかし、アルファベットや数字といった、キーボードの根幹にあたる部分の配列をここまでいじってるのはフランスくらいのようだな。
なんともはや、フランスらしいぜ。
いや、まいったね。
今日も番長はタイプミスに泣かされてんのよ。

2009.12.23 (Wed)
フランスのサンタは窓から侵入する
いよう、ジョワノエ! 諸君。
おっと、これを読んでる中にはフランス語を解さないひとたちもいるんだったな。こっちじゃメリークリスマスとは言わねえのよ。
おっと、フランス語を解するきみたち、余計な口出しは無用だ。ジョワノエなんて言い方はフランスじゃしねえが、なに、メリクリ、あけおめの心意気よ。わかるだろ。
さて、ノエルを前に気もそぞろのフランスだが、こっちじゃサンタは煙突じゃなく、窓から侵入すると相場が決まってるんだぜ。この写真を見てくれ。

このとおりだ。
フランスに免疫のない諸君には衝撃の事実かもしれん。
しかし、フランスになじんでるきみたちなら合点が行くだろう。普段から行儀をわきまえない、というか行儀なんぞという概念の存在も知らないフランス人のこと、サンタクロースもめんどくせえから窓から入っちまうのさ。
証拠写真は他にもあるんだぜ。

ほらな。

ひと目もはばからずあちこちで。
ていうか、サンタがずいぶんちいせえな。

そろそろ謎明かしと行こうか。あんまりかついじまっちゃあ悪いからな。
まあ、賢明な読者諸氏のことだから既にお察しのことだろうが。
こいつはフランスでは、クリスマスシーズンになるとあちこちで目にする、おなじみの飾り付け。
日本でも新興住宅地なんかで、この季節になると妙な電飾をパッカパカさせてる連中がいるだろ。ま、あの手の趣向だととらえてもらって構わんよ。
いろいろとバリエーションがあるようで、

こいつはいま降りようとしてるところなんだろうが、プレゼントが落っこちちまってる。

こいつに至っては縄ばしごに緑色のリュックしょって、サンタというよりどっかのレスキュー隊のような風情だな。

お前は何をしてるんだいったい。ハンモックに乗ってるのか、新手のそり遊びか?

普通のサンタ飾りもあるぜ。
そういうわけで、どちらさまもジョワイヨー・ノエル!
ん? 番長のノエルの過ごし方か?
バーロー、こちとら仏教徒よ。般若心経でもあげとくぜ。
いや、その、一緒に過ごす相手がいないから変に開き直ってるってわけじゃねえ、断じてねえんだぞ……。

おっと、これを読んでる中にはフランス語を解さないひとたちもいるんだったな。こっちじゃメリークリスマスとは言わねえのよ。
おっと、フランス語を解するきみたち、余計な口出しは無用だ。ジョワノエなんて言い方はフランスじゃしねえが、なに、メリクリ、あけおめの心意気よ。わかるだろ。
さて、ノエルを前に気もそぞろのフランスだが、こっちじゃサンタは煙突じゃなく、窓から侵入すると相場が決まってるんだぜ。この写真を見てくれ。

このとおりだ。
フランスに免疫のない諸君には衝撃の事実かもしれん。
しかし、フランスになじんでるきみたちなら合点が行くだろう。普段から行儀をわきまえない、というか行儀なんぞという概念の存在も知らないフランス人のこと、サンタクロースもめんどくせえから窓から入っちまうのさ。
証拠写真は他にもあるんだぜ。

ほらな。

ひと目もはばからずあちこちで。
ていうか、サンタがずいぶんちいせえな。

そろそろ謎明かしと行こうか。あんまりかついじまっちゃあ悪いからな。
まあ、賢明な読者諸氏のことだから既にお察しのことだろうが。
こいつはフランスでは、クリスマスシーズンになるとあちこちで目にする、おなじみの飾り付け。
日本でも新興住宅地なんかで、この季節になると妙な電飾をパッカパカさせてる連中がいるだろ。ま、あの手の趣向だととらえてもらって構わんよ。
いろいろとバリエーションがあるようで、

こいつはいま降りようとしてるところなんだろうが、プレゼントが落っこちちまってる。

こいつに至っては縄ばしごに緑色のリュックしょって、サンタというよりどっかのレスキュー隊のような風情だな。

お前は何をしてるんだいったい。ハンモックに乗ってるのか、新手のそり遊びか?

普通のサンタ飾りもあるぜ。
そういうわけで、どちらさまもジョワイヨー・ノエル!
ん? 番長のノエルの過ごし方か?
バーロー、こちとら仏教徒よ。般若心経でもあげとくぜ。
いや、その、一緒に過ごす相手がいないから変に開き直ってるってわけじゃねえ、断じてねえんだぞ……。

2009.12.22 (Tue)
番長が切られる!フランス美容室へビヤーンブニュの巻だぜ
まいったね。
フランスの美容師には、まいったね。
番長、髪の毛がのびちまったんで切りに行こうと思ったのよ。
日本にいた頃はQBハウス一本、スポーツ刈りにしてくださいって言えばそれでコト足りたんだが。
なんせここはフランス。
いっちょ俺も、その、なんだ、アレだろ? ハヤってるヤツがあんだろ、あの、いや、番長たるものそんなチャラチャラと、髪型がどうしたとか知らねえんだぜ。ただだな、その、木村拓哉とかがやってる、ほれ、ロンゲってヤツを……馬鹿野郎言わせてんじゃねえぞこのヤロウ。
ちょっと髪の毛を伸ばしていこうかと、こう、思ったわけよ。
しかし、いたずらに伸ばしてるだけじゃあ枝毛も生えてきちまうし、単にボッサボサって感じになっちまうだろ。
そこで、一歩踏み出してみることにしたのよ。日本と違って、フランスには理容と美容の差はねえが、なーんとなく床屋チックな店と、いかにも美容室ですぜって店はそれぞれあるな。
しかしなんだ、フランスといえばやっぱり美容室だろ。モッズ・ヘアもフランスだもんな。
ここはいっちょ、気合を入れて、街でも目立つところにある美容室に言ってみたぜ。
出迎えてくれたお姉さんに向かって、こう言ってやったのよ。毛先を切りそろえてほしい、でも今後も髪の毛を伸ばしたいからあまり短くしすぎないでくれ、よろしく頼むと。
番長、こう見えて近眼でな。途中で何が起きていたかはまったくわからねえ。
終わってビックリよ。
ぱっつんぱっつんのおかっぱアタマ、あるいはオードリー春日なみのテクノカット。まっっすぐに切りそろえられちまった。

番長、文字通り頭を抱えたよ。
その夜は涙が川となり、部屋のドアを破って廊下を伝って階段を流れ落ちたぜ。
その後日本人の美容師さんに聞いたところでは、フランス人の、特にパツキンもとい金髪の連中ってのは、髪の毛1本1本が基本的に細いらしいんだな。だから、まっすぐに切っちゃってもあんまり不自然にはならないんだそうだ。
その調子で東洋人の髪の毛を切ると、番長みたいなことになっちまうんだと。
いや、まいったね。
坊主にするか、さもなきゃ髪の毛を伸ばし続けるか。フランスの迫る二択ってのはいつもスリリングだぜ。

フランスの美容師には、まいったね。
番長、髪の毛がのびちまったんで切りに行こうと思ったのよ。
日本にいた頃はQBハウス一本、スポーツ刈りにしてくださいって言えばそれでコト足りたんだが。
なんせここはフランス。
いっちょ俺も、その、なんだ、アレだろ? ハヤってるヤツがあんだろ、あの、いや、番長たるものそんなチャラチャラと、髪型がどうしたとか知らねえんだぜ。ただだな、その、木村拓哉とかがやってる、ほれ、ロンゲってヤツを……馬鹿野郎言わせてんじゃねえぞこのヤロウ。
ちょっと髪の毛を伸ばしていこうかと、こう、思ったわけよ。
しかし、いたずらに伸ばしてるだけじゃあ枝毛も生えてきちまうし、単にボッサボサって感じになっちまうだろ。
そこで、一歩踏み出してみることにしたのよ。日本と違って、フランスには理容と美容の差はねえが、なーんとなく床屋チックな店と、いかにも美容室ですぜって店はそれぞれあるな。
しかしなんだ、フランスといえばやっぱり美容室だろ。モッズ・ヘアもフランスだもんな。
ここはいっちょ、気合を入れて、街でも目立つところにある美容室に言ってみたぜ。
出迎えてくれたお姉さんに向かって、こう言ってやったのよ。毛先を切りそろえてほしい、でも今後も髪の毛を伸ばしたいからあまり短くしすぎないでくれ、よろしく頼むと。
番長、こう見えて近眼でな。途中で何が起きていたかはまったくわからねえ。
終わってビックリよ。
ぱっつんぱっつんのおかっぱアタマ、あるいはオードリー春日なみのテクノカット。まっっすぐに切りそろえられちまった。

番長、文字通り頭を抱えたよ。
その夜は涙が川となり、部屋のドアを破って廊下を伝って階段を流れ落ちたぜ。
その後日本人の美容師さんに聞いたところでは、フランス人の、特にパツキンもとい金髪の連中ってのは、髪の毛1本1本が基本的に細いらしいんだな。だから、まっすぐに切っちゃってもあんまり不自然にはならないんだそうだ。
その調子で東洋人の髪の毛を切ると、番長みたいなことになっちまうんだと。
いや、まいったね。
坊主にするか、さもなきゃ髪の毛を伸ばし続けるか。フランスの迫る二択ってのはいつもスリリングだぜ。
