2009.12.10 (Thu)
「ミス・フランス」たあ、どういう了見だ
まいったね。
もう12月だってよ。まいったね。
しかし、師走ってのはいい言葉だな。
年の瀬は何かと慌ただしい。ふだん悠然として見える先生さえも歩みを速めるなんてえのは、実にこの季節の雰囲気をうまい具合に言い表してる。
オイ、そう思うだろ。いいなあ日本語ってのは。
暦をめくって12月になると日本人は、今年も短かったななんて言いながら、忘年会や正月休みに思いを馳せるわけだ。
フランス人は違うぜ。
TF1(っていうテレビ局)が「ミス・フランス」を決める特番を流すと、ああクリスマスの季節だな、となるのさ。

(AFPサイトより)
ミス・フランス自体は単なるミスコンだ。毎年恒例のイベントで、各地方で選出された代表からフランスいちの美女を決めようという、言ってみりゃノーテンキな企画よ。
いまどき流行らねえと言われそうだが、どっこい人気は衰えるところを知らねえようだぜ。
最近は金髪で白い肌のいかにもってネエチャンより、エキゾチックな風貌のが選ばれやすい傾向にあるようだ。
ま、んなこたあバンカラで鳴らすオレこと番長には関係のねえ話。
あのな、オレが聞きてえのは、なんだって「ミス・フランス」って英語なのかということだ。
フランス語で言えよオイ。
なんだ、マドモワゼル・フランセーズ? でもなんでもいいじゃねえか。
フランス人といえば、自分たちの言語を人一倍たいせつにする連中ってことでおなじみだよな。
その裏返しか、英語が嫌いだ、というのもよく聞く話。
英語を知ってても話さないんでしょフランス人っていやーねオホホ、なんてまことしやかに言われる。
確かにフランス人てのは食えねえ連中だ。
ところが、オレの目から見る限り、最近ではそんなこともねえ。特に大都市なんかじゃ、オレみたいな見てくれをしてると英語で話しかけられることもしばしばだぜ。
田舎に行くとそうもいかねえが、意図的なわけじゃねえんだ。ホントに根っから、全然英語をしゃべれねえのさ。
だが、一面においては英語嫌いといっても、こりゃ間違いのねえこったぜ。
この国においてもアメリカの影響力ってのは大変なもんだ。とどまるところを知らねえ。街中にはマクドナルドがあふれかえってるし、ハリウッド映画もフランス映画を押しのけてバンバン人を呼び込んでる。
いきおい外来語も増える。なんつってもアメリカで新しく発明されたモンが多いからな。フランス語に存在しない語彙は、英語を使わなきゃしょうがねえ。パソコンまわりなんてのはその典型よ。
ここでおでましになるのがアカデミー・フランセーズって組織だ。

(ウィキペディア記事より)
アンタもウワサくらいは聞いたことねえか。こいつはフランス語の最高権威だ。
外来語が現れると、いちいち精査して訳語をつくる。英語をそのまま使った方が楽だろうが、それじゃフランス文化が損なわれるってんだな。
フランス野郎はハンパなことをしねえ。コンピューターはオーディネターと呼ぶし、プログラムはロジシェルという。わざわざこさえたんだぜ。
ウェブサイトはシット・ウェブ。ま、こりゃ語順をフランス風にひっくり返しだだけだが。シットったって英語とは違うからな、糞尿を想像してくれるなよ。ちなみにファックってのは大学・学部のこったからな。
まあ考えてもみてくれ。
古くからイギリスとフランスは犬猿の仲。14世紀には百年戦争なんつってずっとドンパチやってたわけだ。
最近でも、たとえばイラク戦争を見てみな。大量破壊兵器があると言ってフセイン政権への攻撃を呼びかけたワシントン、それに乗るイギリスに対し、ドイツと組んで反対した。実際、そんなもんはなかったわけだがな。
フランス政府は国連などの国際機関の誘致にすこぶる熱心だ。
留学生もバンバカ招いてる。日本を含む136カ国にアリアンス・フランセーズっていうフランス語と文化の学習拠点を置いてるくらいだ。なかなかこんな国もないんじゃねえのかってくらいの充実ぶりよ。

(アリアンス・フランセーズのサイトより)
そりゃ、実のところを言えば、国力やビジネス、あるいは映画や音楽といった文化的な影響力でも、米英にはまったく歯が立たない。せめて言語を砦にしよう、くらいのところだろ。
フランスらしい大国気取りぶりよ。
しかし、実は番長、その心意気は嫌いじゃねえ。
なんでも英語英語ってのは、どうも気に入らねえ。そりゃ英語は国際語だ。使えりゃ便利よ。
だがな、アメリカ人だイギリス人だって連中がどこ行っても平気で英語をしゃべってるのをみると、胸の内に何かこう、消化しきれねえ熱いカタマリがもやもやするってのもまた、否定できねえ事実なのよ。
なんだテメエラ、たまたま生まれた国の言葉が国際語だったってだけでなんの苦労もしてやがらねえじゃねえか。調子にのってんじゃねえぞ、ってな。
いや、こりゃオレとしたことが了見の狭いことを言っちまったな。
でも思っちまうもんはしょうがねえだろ。
そんなこんなで、判官びいきってわけでもねえんだろうが、フランス語もちったあ頑張れ、英語の地位が揺らぐことは金輪際ないだろうが、そこはそれ、意地を見せてくれよって思ってるわけよ。
だのにミス・フランスってことはねえだろうよ。
この後はフランス代表としてミス・ユニバース等に出場したりするんだぜ。お国の代表が英語の肩書きしょっててどうすんだ。
んなもんケンカする前っから負けよ、負け。
腑に落ちねえからダチ公のフランス人、モナミの野郎に聞いてやったのよ。なんだこのザマは、って。
野郎気にするそぶりも見せやがらねえ。「そういえば不思議だねバンチョー、それはそうとタンプル通りのパン屋、味が落ちたと思わないかい」ってどこ吹く風よ。
しょうがねえからウィキペディアを調べてみた。
このコンテストの起源は1920年にさかのぼる。実は、そのころはフランス語のタイトルだったらしい。「ラ・プリュ・ベル・ファム・ドゥ・フランス」ってな。
ところが1927年に今の名前に変わったそうだ。
ほうほう、と期待しながら読み進めたが。理由についてはつまびらかにされていなかった。
まいったね。
しかしオレは、このウィキペディアの項目を読むうちに、別の理由でもっとまいらされちまうことになる。
ミス・フランスに応募するための条件てのがある。
そりゃそうだろ、空気の読めないババアが応募してきても困るからな。
年齢は18歳から24歳まで。フランス国籍を有していること。結婚していないこと。このへんはわかる。
身長を見てびっくりよ。最低170センチあること、だと!
日本人女性の平均身長は158センチだ。
ちなみにミス日本の条件は、身長152センチ以上だってよ。

(「グラムブログ」より)
この身長計を見てくれ。
158センチだとフランスでは14歳、152センチなら12歳程度だとよ。
いや、まいったね。
フランス人も腰抜けだとばかりに息巻いてたのに、オレはまたフランスの壁、超えられない高い高い壁にブチ当たって跳ね返されちまった。
今夜も焼酎が進みそうだぜ。

もう12月だってよ。まいったね。
しかし、師走ってのはいい言葉だな。
年の瀬は何かと慌ただしい。ふだん悠然として見える先生さえも歩みを速めるなんてえのは、実にこの季節の雰囲気をうまい具合に言い表してる。
オイ、そう思うだろ。いいなあ日本語ってのは。
暦をめくって12月になると日本人は、今年も短かったななんて言いながら、忘年会や正月休みに思いを馳せるわけだ。
フランス人は違うぜ。
TF1(っていうテレビ局)が「ミス・フランス」を決める特番を流すと、ああクリスマスの季節だな、となるのさ。

(AFPサイトより)
ミス・フランス自体は単なるミスコンだ。毎年恒例のイベントで、各地方で選出された代表からフランスいちの美女を決めようという、言ってみりゃノーテンキな企画よ。
いまどき流行らねえと言われそうだが、どっこい人気は衰えるところを知らねえようだぜ。
最近は金髪で白い肌のいかにもってネエチャンより、エキゾチックな風貌のが選ばれやすい傾向にあるようだ。
ま、んなこたあバンカラで鳴らすオレこと番長には関係のねえ話。
あのな、オレが聞きてえのは、なんだって「ミス・フランス」って英語なのかということだ。
フランス語で言えよオイ。
なんだ、マドモワゼル・フランセーズ? でもなんでもいいじゃねえか。
フランス人といえば、自分たちの言語を人一倍たいせつにする連中ってことでおなじみだよな。
その裏返しか、英語が嫌いだ、というのもよく聞く話。
英語を知ってても話さないんでしょフランス人っていやーねオホホ、なんてまことしやかに言われる。
確かにフランス人てのは食えねえ連中だ。
ところが、オレの目から見る限り、最近ではそんなこともねえ。特に大都市なんかじゃ、オレみたいな見てくれをしてると英語で話しかけられることもしばしばだぜ。
田舎に行くとそうもいかねえが、意図的なわけじゃねえんだ。ホントに根っから、全然英語をしゃべれねえのさ。
だが、一面においては英語嫌いといっても、こりゃ間違いのねえこったぜ。
この国においてもアメリカの影響力ってのは大変なもんだ。とどまるところを知らねえ。街中にはマクドナルドがあふれかえってるし、ハリウッド映画もフランス映画を押しのけてバンバン人を呼び込んでる。
いきおい外来語も増える。なんつってもアメリカで新しく発明されたモンが多いからな。フランス語に存在しない語彙は、英語を使わなきゃしょうがねえ。パソコンまわりなんてのはその典型よ。
ここでおでましになるのがアカデミー・フランセーズって組織だ。

(ウィキペディア記事より)
アンタもウワサくらいは聞いたことねえか。こいつはフランス語の最高権威だ。
外来語が現れると、いちいち精査して訳語をつくる。英語をそのまま使った方が楽だろうが、それじゃフランス文化が損なわれるってんだな。
フランス野郎はハンパなことをしねえ。コンピューターはオーディネターと呼ぶし、プログラムはロジシェルという。わざわざこさえたんだぜ。
ウェブサイトはシット・ウェブ。ま、こりゃ語順をフランス風にひっくり返しだだけだが。シットったって英語とは違うからな、糞尿を想像してくれるなよ。ちなみにファックってのは大学・学部のこったからな。
まあ考えてもみてくれ。
古くからイギリスとフランスは犬猿の仲。14世紀には百年戦争なんつってずっとドンパチやってたわけだ。
最近でも、たとえばイラク戦争を見てみな。大量破壊兵器があると言ってフセイン政権への攻撃を呼びかけたワシントン、それに乗るイギリスに対し、ドイツと組んで反対した。実際、そんなもんはなかったわけだがな。
フランス政府は国連などの国際機関の誘致にすこぶる熱心だ。
留学生もバンバカ招いてる。日本を含む136カ国にアリアンス・フランセーズっていうフランス語と文化の学習拠点を置いてるくらいだ。なかなかこんな国もないんじゃねえのかってくらいの充実ぶりよ。

(アリアンス・フランセーズのサイトより)
そりゃ、実のところを言えば、国力やビジネス、あるいは映画や音楽といった文化的な影響力でも、米英にはまったく歯が立たない。せめて言語を砦にしよう、くらいのところだろ。
フランスらしい大国気取りぶりよ。
しかし、実は番長、その心意気は嫌いじゃねえ。
なんでも英語英語ってのは、どうも気に入らねえ。そりゃ英語は国際語だ。使えりゃ便利よ。
だがな、アメリカ人だイギリス人だって連中がどこ行っても平気で英語をしゃべってるのをみると、胸の内に何かこう、消化しきれねえ熱いカタマリがもやもやするってのもまた、否定できねえ事実なのよ。
なんだテメエラ、たまたま生まれた国の言葉が国際語だったってだけでなんの苦労もしてやがらねえじゃねえか。調子にのってんじゃねえぞ、ってな。
いや、こりゃオレとしたことが了見の狭いことを言っちまったな。
でも思っちまうもんはしょうがねえだろ。
そんなこんなで、判官びいきってわけでもねえんだろうが、フランス語もちったあ頑張れ、英語の地位が揺らぐことは金輪際ないだろうが、そこはそれ、意地を見せてくれよって思ってるわけよ。
だのにミス・フランスってことはねえだろうよ。
この後はフランス代表としてミス・ユニバース等に出場したりするんだぜ。お国の代表が英語の肩書きしょっててどうすんだ。
んなもんケンカする前っから負けよ、負け。
腑に落ちねえからダチ公のフランス人、モナミの野郎に聞いてやったのよ。なんだこのザマは、って。
野郎気にするそぶりも見せやがらねえ。「そういえば不思議だねバンチョー、それはそうとタンプル通りのパン屋、味が落ちたと思わないかい」ってどこ吹く風よ。
しょうがねえからウィキペディアを調べてみた。
このコンテストの起源は1920年にさかのぼる。実は、そのころはフランス語のタイトルだったらしい。「ラ・プリュ・ベル・ファム・ドゥ・フランス」ってな。
ところが1927年に今の名前に変わったそうだ。
ほうほう、と期待しながら読み進めたが。理由についてはつまびらかにされていなかった。
まいったね。
しかしオレは、このウィキペディアの項目を読むうちに、別の理由でもっとまいらされちまうことになる。
ミス・フランスに応募するための条件てのがある。
そりゃそうだろ、空気の読めないババアが応募してきても困るからな。
年齢は18歳から24歳まで。フランス国籍を有していること。結婚していないこと。このへんはわかる。
身長を見てびっくりよ。最低170センチあること、だと!
日本人女性の平均身長は158センチだ。
ちなみにミス日本の条件は、身長152センチ以上だってよ。

(「グラムブログ」より)
この身長計を見てくれ。
158センチだとフランスでは14歳、152センチなら12歳程度だとよ。
いや、まいったね。
フランス人も腰抜けだとばかりに息巻いてたのに、オレはまたフランスの壁、超えられない高い高い壁にブチ当たって跳ね返されちまった。
今夜も焼酎が進みそうだぜ。

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