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2010.03.13 (Sat)

投票は義務だ!

 まいったね。
 フランスの投票制度には、まいったね。


 今週末の3月14日と続く21日、フランスでは地方選挙がある。複数の県を束ねる地域圏という行政単位の議員が選ばれる。
 フランス本土には22の地域圏があるが、現状ではそのうち20を野党の社会党が抑えているんだな。サルコジ率いる政権党のUMPはわずかに2地域圏のみ。どれだけ挽回できるかが見物だが、報道によると、今回も苦戦は必至なんだそうだ。
 いやホント、いつも疑問なんだが、いったい誰がサルコジに投票したのかねえ。


 とまあ、政治の話は置いておくとして。
 フランスの投票制度ってのが日本とは結構違ってるんで、今回はその話をしようと思うぜ。もっとも、番長は選挙権がねえんで、こいつはフランス人から聞いた話だ。そのへん、あらかじめ断っておくぜ。



■選挙人登録が必要だ




 フランスでは、18歳になれば投票する権利が与えられる。だが、実際に投票をするには役所に出向いて申請をし、有権者であることの証明書をもらわなきゃならねえ。
 20歳になれば自動的に登録される日本に比べて面倒なことだなあ、と思いきや、欧米ではこのタイプが主流のようだ。
 もっとも、多くの国では他の行政手続き、たとえば住民登録証を取る手続きと同時に選挙人登録もされるらしい。
 ところがフランスは違う。そういう特典めいたものは何もねえのよ。ほかの行政的な手続きに比べればそう面倒なことはないという話だが、窓口が開いている時間に役所へ行くだけで一手間だよな。



carte_electorale1.jpg
(フランスの有権者証)


 この投票登録をしていない人も、若者や貧困層を中心に相当数いるようだ。
 パリ郊外の貧困層が多く住む地域では、「選挙人登録しよう勢」とばかりに歌手なんかのタレント連中が運動を繰り広げてるくらいだからな。



■投票用紙が山のようにある



 投票所に着いたらどうするか。日本だと、まずは投票用紙をもらって、そこに候補者や政党を鉛筆書きし、二つに折って投票箱へ入れるわな。
 フランスでは、投票用紙にあらかじめ候補者の名前や政党名が書かれている。だから投票用紙は全候補者分ある。5人なら5枚、10人なら10枚、20人なら20枚の投票用紙が、それぞれ山になってドンと置いてあるわけだ。
 投票をする人は、まずその投票用紙を1枚ずつぜんぶ取る。さらに、投票用紙を入れるための封筒を取る。その後カーテンで仕切られたところへ行って、自分の意中の候補者の紙だけを封筒の中に入れ、あとの用紙は全部捨てる。で、投票箱のところまで行って封筒を中に入れる。
 捨てちまう用紙がもったいないような気もするが、この方式だと疑問票(誰に投票しているのか、何が書いてあるのかよくわからない票)がないし、字が書けなくても投票できるというメリットがあるな。
 この投票用紙、候補者が自分で用意するんだとよ。台紙は白と決まっているが、色は1色であれば何を使ってもいいそうだ。



■投票用紙がデカい



 なんと最大A4サイズ(210ミリ×297ミリ)。日本の投票用紙(衆院選の場合)は90ミリ×128ミリだから、フランスに比べると5分の1の大きさしかない。

 フランスの投票制度には2種類がある。大統領選のように1人の候補者を選んで投票する場合と、「候補者の名簿」に投票する場合だ。後者は日本で言うところの比例代表制と同じで、各政党が候補者のリストをつくり、政党の得票率に応じて議席が振り分けられるわけだな。
 今回行われる地域圏議会のほか、県議会など地方選挙のほとんどは、この名簿式だ。

 さっき書いたように、投票用紙は候補者が用意することになっている。名簿式なら政党が用意するわけだが、1枚の紙に候補者全員の名前を載せなきゃいけない決まりなのよ。だから投票用紙が大きくなるんだな。
 候補者の数によって用紙の大きさは変わる。A4用紙を使うのは候補者が32人以上いる場合で、3~31人だとその半分のA5用紙(148ミリ×210ミリ)、1~2人の場合はA6用紙(105ミリ×148ミリ)と規定されている。



■白票は持ち込みで



 どの候補者もロクでもねえ、選挙権はきっちり行使するが誰にも票は入れねえぜ、という態度を示すのが白票だ。
 日本だったら、渡された投票用紙に何も書き込まずに投票すれば、それで白票になる。実にカンタンだ。
 ところが、フランスではすべての投票用紙にあらかじめ候補者名が印刷されている。公式に用意された「白票」というものは存在しない。
 じゃあどうするかと言うと、どうしても白票を入れたいヤツは、自分で投票用紙サイズの適当な紙を用意しておくわけよ。で、それを投票所に持ち込んで、封筒に入れる。
 その場の思い付きじゃできねえ、ってことだな。

 ちなみに、日本の投票箱は銀色だが、フランスの投票箱は透明だ。
 規定の封筒以外を入れたら即バレよ。



s-Election_MG_3455.jpg
ウィキペディアより)




■投票したか棄権したか、は秘密ではない



 投票用紙を封筒に入れるのは、誰がどの候補者に投票したかを秘密にするためだ。ところが、投票自体をしたかどうかは、フランスでは秘密ではない。投票所に行って登録有権者一覧表を見せてくれと頼めば誰でも見られる。投票した人にはチェックがされているから、誰が棄権したかは一目瞭然だ。
 2007年の大統領選挙では、当時サルコジの妻だったセシリアが投票に行っていなかったことが報道され、不仲説を裏付ける事実として話題になった。バレたのはこの制度のおかげってわけだな。



■投票率という数字を使わない



 有権者の何パーセントが投票したかを示す投票率。この数字の高さで選挙に関心が集まったかどうかがすぐにわかる。日本では投票率が高くなると無党派層の投票が増え、選挙結果そのものにも影響があると言われている、大事な数字だな。
 ところが、フランスでは使わないのよ。
 代わりにあるのが、棄権率という数字だ。有権者登録をしている人のうち投票をしなかった人の割合を示す。
 おおざっぱに言えば、100パーセントからこの棄権率を引き算すれば投票率になるわけだから、数字の役割はそう変わらねえ。
 だったら投票率という数字で示す方が素直なんじゃねえかという気がするが、そのへんは「良い」という意味を「パ・マル(=悪くない)」という言葉で表現するフランス人だ、そういう文化なのかもしれねえな。
 ……いやスマン、番長いま適当なこと言った。
 あるいは、投票するのが当然という意識から来ているのかもしれんな。



■期日前投票・不在者投票制度がない



 日本では、公示・告示後であれば、投票日前にも投票ができるわな。
 フランスにはそういう便利な制度はねえ。じゃあ投票日に地元にいない人間はどうすると言うと、代理人投票ってのができるんだな。自分と同じ選挙区に住む誰かに、一票を託すことができる。
 ただ、投票日になぜ地元にいないかを証明しなきゃならねえし、委託を受けられるのは一人につき2票まで。だいたい、どんな用事にしたって人に頼むのって面倒くせえよな。投票となりゃなおさらで、頼まれた方は本人に投票する気がなかったとしても投票所に行かなきゃならん。
 こいつは、自分の気が向いたとき、空いた時間にポンと投票できる日本の制度に比べると、相当ハードルが高いよな。
 日本の有権者ってのは甘やかされてるのかもしれねえな。これだけお膳立てが整えられてるってのに投票率が上がらないってんだから。



carte_electorale2.jpg
(投票を終えると、有権者証の裏面にスタンプが押される)



 といった具合で、全般的にフランスでの投票は、日本よりも敷居が高い印象だ。
 おそらく、フランスでは投票をすることが市民の義務とされているからだろう。有権者証の表紙には、「投票は市民の権利であり、義務である」とわざわざ書かれてやがる。
 このへんは、フランス革命で普通選挙(男性のみだが)の権利を勝ち取ったっていう、連中ならではの意識の現れなのかもしれんな。
 選挙人登録にしろ代理人投票の煩雑さにしろ、あるいはわざわざ棄権率って言葉を使うことにしろ、1票の価値の重さやありがたみをいちいち突きつけてくる感じじゃねえか。

 ちなみに、オーストラリアやブラジルでも投票は義務で、怠ると罰金まで支払わなきゃならないそうだ。
 一口に投票と言っても色々違うんだな。世界は広いぜ。


 いや、まいったね。
 アンタ知ってるかい、日本国憲法の第12条。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」とある。
 選挙権ってのも当然その一つなわけだが、そういう意識は忘れがちだよな。
 日本人ってのはずいぶん投票がしやすい環境にいるんだ。せいぜい不断に行使させてもらおうじゃねえか、なあ。




bancho200.gif



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