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2010.04.02 (Fri)

日本にいないグルマン・ビブ

 まいったね。
 かわいくないキャラクターには、まいったね。


 前回、日仏のミシュラン・ガイドには大きな違いがあるという話をした。日本版は星付きのレストランしか掲載されていないが、フランス版には星のないレストランもたくさん載っている。
 実はもう一つ、日仏で違いがあるんだな。


 と、その話をする前に、番長自身について披瀝をさせてもらおう。
 はっきりと自覚があるんだが、番長は人様の前でグルメを名乗れるほど舌が肥えちゃいねえ。そもそも外食だって人並みはずれて大好きってわけじゃねえ。
 いや、うまいものを人並みにうまいと思えるくらいの感覚は備わっちゃいるぜ。しかし、食べた料理から使われている食材やスパイスの違いを言い当てるような芸当はまず無理だ。知識の方もからっきしよ。ワインリストなんてものを渡されると苦痛でしょうがねえという有様だぜ。

 だが、レストランにもそれなりには行く。基本的に食うこと自体が好きなのよ。お店に行くと、自分では作れないもの、買えない食材を使ったものが食べられるからな。
 たとえばフランスの場合、肉屋へ行くとフツーにウサギやハトの肉を売ってるんだが、さすがにこいつはおいそれとは調理できねえだろ。
 そうなのよ。番長、はばかりながら時には自炊をすることもある。と言っても焼くか煮るしかできず、料理なんて言うのはおこがましいレベルなんだが。それでもプロのこさえたもんをみると、ははあこういう調理法があるのかというヒントになることがある。そういう楽しみってのは、やはり外食ならではのものだよな。


 ただ、当然ながらどこのレストランがうまいかなんてことは、なかなか異邦人にはわからねえ。自分の住んでいない町ともなればなおさらだ。
 そんなときに頼りになるのが、やっぱりミシュラン・ガイドよ。あの本の評価を100パーセント信頼してるわけじゃねえが、少なくともミシュランの調査員なら番長よりは確かな舌を持ってるんだろうし、とりあえず参考にはなる。それに、ミシュランに載ってた店へ行ったと言えば話のタネにもなるしな。
 フランスのミシュランガイドは辞書のように分厚く、各町のレストランが網羅的に記されている。大半が星の付いていない無印レストランだ。とは言え、町にある全ての店が載っているわけじゃあもちろんねえ。たとえ無印であっても、ミシュランが載せているということは、それなりに食えるものを出すということだ。

 そこそこ訪ね歩いたよ。1つ星や2つ星、そして最高級の3つ星レストランにもな。お会計の段になって泣きそうになったもんだぜ。いやあ、高かったなあ! もっとも、日本でも最高級のレストランなら同じくらいするけどな。
 むしろ、日本って懐石料理に典型的なように、高い金を出してる割にはぜんぜん腹が膨れないって店が結構あるじゃねえか。フレンチでも、でっかい皿の真ん中にちょこーんと料理が乗ってるようなさ。
 そこへ行くとフランスの星付きってのは、おしなべて量がすごいね。食いきれねえほど出てくる。そういう意味では、日本よりお値打ちかもしれねえ。

 3つ星に行ったときも、日本でも行かないような客単価の店に背伸びをして行った割には、十分に楽しい時間を過ごすことができたぜ。
 もっとも番長、夏だったこともあって軽装で店に入ったんだが、入り口のところでうやうやしく、「お客様、その格好ではちょっと……」と止められちまった。で、壁だと思っていたところがガラリと開いたと思ったらクローゼットでね、中には大小とりどりのジャケットがズラリよ。で、番長の背格好をみて適当なのを持ってきて、これを着てくださいときた。ドレスコードがあるんだな。
 こちとら普段から学ランははおっても、ジャケットを着るなんてことはまずねえ。フランスでもずいぶん色々なところでレストランに入ったが、こういうのは初めてだったな。さすが3ツ星は違うぜ。


 それはともかく。ごく一部の例外を除いて、おおむねフランスで星の付いてるレストランってのは高い。1つ星でディナー1食60ユーロくらいが最低ラインだ。これでも2人で行ってワインでも頼めば、軽く2万円が飛んでいく計算よ。3つ星ともなると、料理だけで1人300ユーロくらいは当たり前の世界になる。

 それじゃあ一般市民からレストランが、ミシュラン・ガイドが縁遠くなるばかりだよな。
 だいたい、高い店がうまいものを出すのは、当然といえば当然じゃねえか。
 そこで登場するのがこのマークだ。



s-bib_gourmands.jpg
(週刊紙「L'Hôtellerie Restauration」のサイトより)



 このマーク、「ビブ・グルマン」と呼ぶ。
 コストパフォーマンスに優れた店に付くお墨付きで、フランス版の場合だと、パリなら1食35ユーロ以下、パリ以外なら29ユーロ以下が基準。そこそこの値段できちんとおいしいものをたっぷり食べさせる店が選ばれている。
 各国版と都市版の両方に必ず載っている。フランスの場合、このビブ・グルマンの店だけを集めたガイドブックってのも別途出されている。

 ところで、グルマンというのは食いしん坊って意味なんだが。
 ビブってなんだかわかるかい?
 コイツよ、コイツ。



s-michelinman.jpg
(ビバンダムくん、ミシュラン公式サイトより)



 ミシュランに、もこもこした白くてかわいくねえキャラクターがいるだろ? アイツ、ビバンダムって名前なのよ。ビブってのはビバンダムくんの愛称なんだな。
 ちなみにコイツ、日本を含めてフランス以外の国では「ミシュランマン」の名前で通っているらしい。だからどうってこともねえけどさ。


 で、このビブ・グルマンなんだが。
 ミシュラン・ガイドの中でも東京版と京都・大阪版、つまり日本のものだけまったく存在しないんだ。
 前回、日本だけは星が付かない、無印のレストランが載っていないって話を書いたよな。同様にこのお値打ち店を示すマークのレストランも載ってないのよ。
 冒頭で挙げた、日仏版でのもう一つの違いってのはこれのことよ。

 おそらくはこれも編集方針の違いなんだろう。
 高級店でもまわり切れていない様子なのに、まして大衆的な店なんか行ってないわな。

 あるいは、ミシュラン・ガイドの高級感を演出するために、あえてこういうお値打ち店は掲載しないことにしてるのかもしれねえ。
 というのも、日本では女性誌に広告は出しても絶対にテレビコマーシャルなんか打たなさそうな高級ブランドが、フランスだと普通にCMを流してるんだ。たとえばシャネルとか、ドルチェ&ガッバーナとか、ジバンシーとか。香水が多いんだが、ブランドイメージの保持を考えて日本ではやらねえんだよな、おそらくは。
 もっとも、シャネルなんかは泉ピン子やハイヒール・モモコのおかげで、日本じゃテレビCMをやらなくても勝手にある種のイメージが付いちまってるけどな。


 さて、なぜお値打ち店マークが日本版にないかについて、もう一つ番長は思い当たるところがある。
 ミシュランの星の付け方ってのは、国や都市の違いに関係なく、絶対的なレベルの違いで評価されるんだそうだ。
 とすれば、ビブ・グルマンだって同じことだよな。
 フランス版のレベルでビブ・グルマンのマークを出してたら、日本では一部のチェーン店も含めて、とんでもない数に付けなきゃならなくなるんじゃねえかと思うのよ。
 日本には、安くてうまいものが多いからだ。
 フランスには、高くてうまいものはあるが、安くてうまいものは乏しい。だからビブ・グルマンが星付きレストラン並みに珍重されるし、一つの指標として成立してるんじゃねえかな。


 日本に住んでウン十年になる知り合いのフランス人が、こんなことを言ってたぜ。
 「日本では外食が生活の中にしっかり根付いている。フランスにはそういう習慣がない」

 アンタ、昼飯に何を食ってる?
 弁当ってのはむしろ少数派だよな。社食って人もいるだろうが、ランチは外へ食べに行くって人も多いんじゃないかな?
 行き先は様々だ。吉野家で牛丼をかき込む人、駅のホームで立ち食いそばをすする人、定食屋のワンコインランチを食べる人、夜行けば高いレストランのお値打ちなランチセットを食べる人、などなど。

 フランスのレストランにも、もちろんランチメニューはある。だが、日本に比べて明らかに高い。10ユーロ(1300円程度)を切るメニューを見つけるのは至難の業だ。
 ファミリーレストランのチェーン店というのも存在はする。たとえば「カバ」って名前のレストランがそうなんだが、日本のようなドリンクバーはもちろん、1000円を切るようなランチメニューってのはやはり存在しない。
 しかも、時間がかかる。一旦席に着いたら2時間は見積もらなけりゃならねえ。確かにフランス人は昼食に時間をたっぷりと取る傾向があるが、皆が皆そんなにゆっくりとした時間を取れるわけでは、もちろんない。フランスでもサラリーマンはサラリーマンだ。
 よく見かけるのは、サンドイッチスタンドやパン屋で適当なものを買い、歩きながら食べる姿だな。

 夕食にしても同じことよ。回転寿司だ、お好み焼きだ、ラーメンだ、焼き鳥だと、日本には大衆的でウマイ店ってのが山ほどある。酒代も含めて3千円も出せば十分におなかがいっぱいになる店ってのが、むしろ当たり前だよな。
 この当たり前がないんだよ。フランスにはさ。


 思い出してほしい。東京にあるレストランの数は、パリのおよそ7倍だったよな。
 要するに、フランスって日本のようには外食産業が発達してないのよ。
 それが証拠に、友達同士が夜集まるなんてときに、かなり高い確率で誰かの自宅を使う。いわゆるホームパーティってヤツだ。
 これが日本だったらどうだい? 若者やご婦人ならファミレスやカフェ、おっさんなら居酒屋ってのが定番だよな。そういう、手頃な価格で楽しくくつろげる空間ってのが、あんまりねえんだよ。だから自分ちに来いってことになる。
 フランス人にとってレストランに行くってのは、ハレの機会、特別な席っていう感じが強いのよ。だから連中はレストランに非日常的な雰囲気を求めるし、自分たちも盛装していくんだな。そりゃジャケットを着ないとたしなめられるわけだぜ。


 いや、まいったね。
 たかが1冊のグルメガイドを通じても、彼我の差ってのは明らかになるもんだな。




bancho200.gif



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