2010.04.16 (Fri)
フランスは暗いぜ!
まいったね。
暗いフランスには、まいったね。
フランスは、暗い。
と言っても、ネクラな人間が多いわけでもなけりゃ、社会が閉塞感にあえいでるわけでもねえ。っと、ネクラっていまどき使わねえ言葉なのかな。
あるいは、天気が曇りがちってことでもねえ。石畳の街並みが灰色がかっていて重たく感じるという話でもねえ。さっきのと違ってこちらは事実だが、それはまた、別のお話。
建物の中が暗いんだ。
廊下や階段はことに真っ暗。よせばいいのに、省エネってことなんだろうな、スイッチを入れても一定時間が経つと自動的に照明の電気が切れるようになっている建物が多い。
そりゃ、いくら機械を信用できないフランスとはいえ、一応は廊下を渡り切る、あるいは階段を登り切るであろう時間を考えて設計されてるわけだが。自分よりも前に建物に入った人がスイッチを入れていて、入ったときには照明がついてるんだが、歩いている途中で電気が切れるなんてことが、ままあるのよ。
サッと幕が下りたように真っ暗になっちまってね。けっつまずいてケガをするんじゃねえかと不安になるぜ。というのも、廊下にしろ階段にしろ、多くは窓ってもんに乏しいからな。とりわけ古い建物の場合はそうだ。そして、フランスの建物ってのはおおむね古い。
地震のない国ってのはそういうもんなのかな、といつも思うんだが、建ってから少なくとも1世紀は過ぎてるんだろうなって家がゴロゴロあって、フランス人はそれをちびちびと補修しながら使っている。いや、だからこそ景観が守られるんだろうがな。
で、部屋の中もなんだか暗い。そもそも照明器具の数が少ないうえに、電気が切ってあることが多いんだな。ちゃんと明るいなあと思うのはデパートくらいで、フツーの人が暮らす家、役所や駅舎や地下鉄車内といった公共の空間、大型ショッピングモールの構内、パン屋や肉屋やチーズ屋といった日常使いの店舗からレストランの店内にいたるまで、おおむね薄暗い。食べ物なんてのはちゃんと明るいところで見た方がおいしそうに見えると思うんだが、違うかい。
これだから番長はダメだ、てんでダサイね、とおっしゃる御仁もいるかもしれねえ。そいつは間接照明ってヤツだよ、オシャレなのさ、ってな。
間接照明くらいは番長も知ってる。だがそいつは、光を壁や天井に反射させることで照明にするやり方のことだ。もちろんそういう凝った内装のところもあるぜ。しかし、番長がここで言いてえのは、単純に光源が足りないって話なのよ。
番長最初は、おなじみフランス人のドケチっぷり、もとい経済感覚の優れたとこなのかと思ったのよ。フランス人ってのは何かと言うと電気を消せ消せとうるっせえからな。
それもあるのかもしれねえ。だが、そればっかりじゃないという話を、当のフランス人から聞いた。目のつくりが日本人とフランス人、東洋人と西洋人じゃ違うんだと。
目の中に虹彩って部分があるのを、アンタ知ってるかい。
日本人で言うところの、目の黒い部分。白目じゃなく、かつ目ん玉の真ん中、瞳孔でもない部分のことだ。
白人の場合は青い。♪あぁおい目をしたおにんぎょは アメリカ生まれのセールロイド、って歌にもあるじゃねえか。

(瞳の構造)

(青い目。いずれもウィキペディアより)
あの色の違いってのはメラニン色素の量で決まるんだそうだ。そうよ、肌を日に焼くと黒くすることでおなじみのあのメラニン色素よ。太陽光線に含まれる有害な紫外線から人体を守る働きがある。
黒い瞳の日本人ってのは、もともとメラニン色素が多いんだな。他方、西洋人は少ない。だから強い光に耐えられないんだそうだ。
白人がサングラスを常用してるのもそのためだと聞いて、番長の黒い目からはウロコが落ちたもんだぜ。実際、日差しの強い日にフランス人と一緒に歩いていたら、サングラスを忘れたって大騒ぎしだしてさ。番長の中ではグラサンなんてのはオシャレアイテムでしかなかったから、まあ落ち着けよと言ってやったんだが。本当に我慢できないらしくてずっと目をショボショボ、半開きにさせてたもんな。
実のところ日本人みたいな瞳の黒い人種でも個人差があるから、中には光を過敏に感じてしまう人もいるそうだ。確かに番長も、運転中に西日が差してきたときなんざ、まぶしくて困ることがある。グラサンすなわち気取った野郎ってのは、とんだ偏見だったわけだ。
一説によると、青い瞳ってのは黒目の2倍も光をまぶしく感じてしまうんだそうだ。
2倍だぜ、2倍。脳内で理解してる映像、全然違うんだろうな。ほとんど別世界なんじゃねえか。
目ん玉をとっかえるわけにはいかないんで、どれほどの違いがあるのか実感としてわからないのが残念だが。目に移るすべてのものの色彩を、違った風に感じ取ってるんだろうな。
いや、まいったね。
フランス人は、人生はバラ色だと言うじゃねえか。ラ・ヴィ・アン・ローズって。
どこがバラ色だ、陰鬱な灰色の間違いだろと番長思ってたんだが、光を2倍強く感じ取れるフランス人にとっては、比喩ではなく物理的・生物学的に、バラ色に映ってるのかもしれねえな。

暗いフランスには、まいったね。
フランスは、暗い。
と言っても、ネクラな人間が多いわけでもなけりゃ、社会が閉塞感にあえいでるわけでもねえ。っと、ネクラっていまどき使わねえ言葉なのかな。
あるいは、天気が曇りがちってことでもねえ。石畳の街並みが灰色がかっていて重たく感じるという話でもねえ。さっきのと違ってこちらは事実だが、それはまた、別のお話。
建物の中が暗いんだ。
廊下や階段はことに真っ暗。よせばいいのに、省エネってことなんだろうな、スイッチを入れても一定時間が経つと自動的に照明の電気が切れるようになっている建物が多い。
そりゃ、いくら機械を信用できないフランスとはいえ、一応は廊下を渡り切る、あるいは階段を登り切るであろう時間を考えて設計されてるわけだが。自分よりも前に建物に入った人がスイッチを入れていて、入ったときには照明がついてるんだが、歩いている途中で電気が切れるなんてことが、ままあるのよ。
サッと幕が下りたように真っ暗になっちまってね。けっつまずいてケガをするんじゃねえかと不安になるぜ。というのも、廊下にしろ階段にしろ、多くは窓ってもんに乏しいからな。とりわけ古い建物の場合はそうだ。そして、フランスの建物ってのはおおむね古い。
地震のない国ってのはそういうもんなのかな、といつも思うんだが、建ってから少なくとも1世紀は過ぎてるんだろうなって家がゴロゴロあって、フランス人はそれをちびちびと補修しながら使っている。いや、だからこそ景観が守られるんだろうがな。
で、部屋の中もなんだか暗い。そもそも照明器具の数が少ないうえに、電気が切ってあることが多いんだな。ちゃんと明るいなあと思うのはデパートくらいで、フツーの人が暮らす家、役所や駅舎や地下鉄車内といった公共の空間、大型ショッピングモールの構内、パン屋や肉屋やチーズ屋といった日常使いの店舗からレストランの店内にいたるまで、おおむね薄暗い。食べ物なんてのはちゃんと明るいところで見た方がおいしそうに見えると思うんだが、違うかい。
これだから番長はダメだ、てんでダサイね、とおっしゃる御仁もいるかもしれねえ。そいつは間接照明ってヤツだよ、オシャレなのさ、ってな。
間接照明くらいは番長も知ってる。だがそいつは、光を壁や天井に反射させることで照明にするやり方のことだ。もちろんそういう凝った内装のところもあるぜ。しかし、番長がここで言いてえのは、単純に光源が足りないって話なのよ。
番長最初は、おなじみフランス人のドケチっぷり、もとい経済感覚の優れたとこなのかと思ったのよ。フランス人ってのは何かと言うと電気を消せ消せとうるっせえからな。
それもあるのかもしれねえ。だが、そればっかりじゃないという話を、当のフランス人から聞いた。目のつくりが日本人とフランス人、東洋人と西洋人じゃ違うんだと。
目の中に虹彩って部分があるのを、アンタ知ってるかい。
日本人で言うところの、目の黒い部分。白目じゃなく、かつ目ん玉の真ん中、瞳孔でもない部分のことだ。
白人の場合は青い。♪あぁおい目をしたおにんぎょは アメリカ生まれのセールロイド、って歌にもあるじゃねえか。

(瞳の構造)

(青い目。いずれもウィキペディアより)
あの色の違いってのはメラニン色素の量で決まるんだそうだ。そうよ、肌を日に焼くと黒くすることでおなじみのあのメラニン色素よ。太陽光線に含まれる有害な紫外線から人体を守る働きがある。
黒い瞳の日本人ってのは、もともとメラニン色素が多いんだな。他方、西洋人は少ない。だから強い光に耐えられないんだそうだ。
白人がサングラスを常用してるのもそのためだと聞いて、番長の黒い目からはウロコが落ちたもんだぜ。実際、日差しの強い日にフランス人と一緒に歩いていたら、サングラスを忘れたって大騒ぎしだしてさ。番長の中ではグラサンなんてのはオシャレアイテムでしかなかったから、まあ落ち着けよと言ってやったんだが。本当に我慢できないらしくてずっと目をショボショボ、半開きにさせてたもんな。
実のところ日本人みたいな瞳の黒い人種でも個人差があるから、中には光を過敏に感じてしまう人もいるそうだ。確かに番長も、運転中に西日が差してきたときなんざ、まぶしくて困ることがある。グラサンすなわち気取った野郎ってのは、とんだ偏見だったわけだ。
一説によると、青い瞳ってのは黒目の2倍も光をまぶしく感じてしまうんだそうだ。
2倍だぜ、2倍。脳内で理解してる映像、全然違うんだろうな。ほとんど別世界なんじゃねえか。
目ん玉をとっかえるわけにはいかないんで、どれほどの違いがあるのか実感としてわからないのが残念だが。目に移るすべてのものの色彩を、違った風に感じ取ってるんだろうな。
いや、まいったね。
フランス人は、人生はバラ色だと言うじゃねえか。ラ・ヴィ・アン・ローズって。
どこがバラ色だ、陰鬱な灰色の間違いだろと番長思ってたんだが、光を2倍強く感じ取れるフランス人にとっては、比喩ではなく物理的・生物学的に、バラ色に映ってるのかもしれねえな。

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