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2010.06.09 (Wed)

フランスでストが多い理由 労働組合の組織率が低いからだった!

 まいったね。
 フランスの労働組合には、まいったね。


 フランスと聞いて瞳を輝かせるのは、なにもお嬢ちゃんたちばっかりと決まったわけじゃねえ。
 番長、いい年なのにじょんじょろりんと髪の毛を伸ばし、ヒゲも延ばしているオッサンに日本で言われたもんよ。「フランス行くの? ストとかデモとかバンバンやってるんでしょ。スゴイよねえ。どうして日本はロウドウシャがドウドウとケンリをコウシできないのかなあ」ってな。少女漫画ばりのキラキラお目々で。
 左翼のニオイのする人って、なんで長髪多いんだろうな。あとヒゲ。フォークの時代の名残かねえ。


 確かに、フランスと言えばスト、デモ。
 今日は鉄道がストをした、今週末はは農家が町をふさいでデモをすると、日々のニュースじゃひっきりなしに伝えられている。ホントに毎日やってんじゃねえかと思うくらいだ。2009年の12月には、ベルサイユ宮殿やオルセー美術館が職員のストで閉鎖される騒ぎもあったな。フランスへ観光に来る人も、天気予報よりスト情報を心配した方がいいぜ。
 ストやらデモを毎日やってるってのは、まんざら大げさな話でもねえのよ。フランスの場合、政府予算は12月までに組まれて1月から執行が始まるんだが、その予算組みが大詰めを迎える年末に向けての時期なんてのは、おのれの要求をのませようってんで、各産業がストやデモをしたがるんだな。で、今週はソチラさんどうぞ、来週はウチがやらせてもらいますんで、なーんて労働組合同士の協議であらかじめスケジュールを組んでるんだそうだ。


 そう、ストやデモを組織してるのは、主に労働組合だ。
 これだけ派手にやってくれてるんだから、フランスじゃ労働組合の組織率もさぞ高いんだろうと思いきや、さにあらず。およそ8%しかねえのよ。
 労働組合が廃れつつあるのは先進国に共通した事情なんだが、それでもイギリス27%、ドイツで24%。日本でも18%、組合不毛の地であるアメリカですら12%ってんだから、いかにフランスの組織率が低いのかって話だよな(数字は独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の統計より)。
 しかも、官公庁に偏ってるのよ。公務員の組織率は15%に上るんだが、民間は5%しかないってことだ。ま、民間の場合、組合に入ってる方が珍しい、貴重な存在ってこったな。

 なんでそんなに低いのか。

 いろいろ説があるんだが、まず一つには、組合の運動に参加したのが知的エリートに限られたってのがあるそうだ。労働組合ってのは、安い賃金でこき使われてた労働者が、ふざけんなと団結して資本家に労働条件の改善を求める、ってのが始まりだよな。顔を真っ黒にした炭鉱労働者がビールをあおりながら額に青筋立ててるイメージだ。
 ところがフランスってのは啓蒙主義の国だろ。労働権の追求、団結権の獲得といったリクツが先に来て、それを理解した賢い連中が単純労働者に教えるって手順を踏んだそうなんだな。つまり、組合に加入したのはオレこそが社会を変えてやるんだという強い自覚のもとに集まった人間に限られたわけよ。

 それから、上に書いたこととも関係するんだが、どうも思想的に過激になりがちだったようでね。アナーキズム(無政府主義)を志向した。つまり、ストやデモを通じて社会をちょっとずつ良くしていこうってんじゃなく、政府をぶっつぶすことをいきなり目標に掲げちまったってんだな。そりゃフツーの労働者にはハイブロウすぎるぜ。
 未だにこの路線ってのは息づいていて、だからフランスの労働組合ってのはすこぶる攻撃的なんだよな。経営側と容易には妥協しねえ。日本でよくみる労使協調、穏健な労使関係ってのがないのよ。社長を拉致してしばらく監禁したり、工場をたたき壊して火を付けちゃったりなんてニュースもそう珍しくないもんな。

 もう一つは、組合の数が多すぎることにある。日本の労働組合は、民主党・社民党系の「連合」、共産党系の「全労連」の主に2つに大別される。イギリスやドイツには1つこっきりしかない。ところがフランスには、主なものだけで5つある。政治思想を巡って対立しては分裂を繰り返してきたんだな。
 んなこったから、労働者の側からすると、どの組合がいいんだか良くわからない。たとえば日本だったら、組合と言えばまあほとんどの場合は連合系しか選択肢がないわけよ。それがイヤなら全労連と。フランスの場合はそう自動的に選べるわけじゃねえし、それぞれの組合の規模が小さいから組織率を上げようとしてもうまくいかないわけだ。


 ところが、そのくせフランスの労働組合ってのは、ずいぶん優遇されてんだよな。
 たとえば、国の税金を割いて補助金が出てる。税制上の優遇措置もある。知名度もそれなりに高くって、マスコミにもしょっちゅう出てくるし、政府が労働関係の法律を新たにつくったり改正したりするときには必ず意見を聴く。大統領と労組トップが直接会談をすることもある。左翼政権でなくても、たとえばサルコジもちゃんと労組トップとは話し合いの時間を割いている。
 ストやデモの影響力も強く、実際に政策を変えちまうなんてこともそう珍しくない。
 なんなんだ、と思うだろ。

 これにもフランスならではの事情があんのよ。
 実は、代表的な労組が結んだ労働条件なんかの取り決めは、同じ産業、地域のほかの労働者にも適用される決まりなんだな。1936年からそういうことになってるんだそうだ。このころは組織率も4割ほどあったそうだが、まさかここまで下がるとは予想もしてなかったのかもな。
 そんなことなんで、組織率なんて低くっても、労働者の代表でございって顔してられるわけよ。
 日本にもこういう取り決めがあるんだったら、番長も労働組合なんか入らねえだろうな。組合活動ってのは面倒くせえし、組合費は高い。黙ってるだけで労働者としての特典はいただけるってんなら、そうするだろうな。

 これ、フランスでストやデモがしょっちゅう起きる理由のポイントだぜ。
 意思決定を早くする、小回りをきかせるためには、組織率なんてのは低い方がいいのよ。人が増えれば、何かをしようってときに反対するヤツ、ヒヨっちゃうヤツも出てくるわけだからな。
 たとえば鉄道のストも、フランスでは一部の区間、一部の列車だけってのが多い。これは5つある主要な労働組合のどれか1つ、あるいは2、3だけがストを打っているからだ。
 ベルサイユ宮殿やオルセー美術館がストで閉館になったときには、ルーブル美術館も正面の入り口を組合員が封鎖しちまったんだが、別の入り口は開いてて中にはフツーに入れたりしたのよ。みんながみんなストをしてるわけじゃねえんだな。
 もちろん、全組合が参加する大規模ストってのもあるが。フランスでは、ストで働かない間の給料は1円も出ない。そいつは困るってんで、ちゃんと働いてる人も少なくないのよ。

 いや、まいったね。
 ストが多いのはフランスの労働者の意識が高いからってわけじゃ、なさそうだぜ。




bancho200.gif



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