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2010.07.16 (Fri)

一生フランスを離れられない? 国際離婚の後始末

 まいったね。
 国際離婚の後始末には、まいったね。


 離婚をするのは夫婦の勝手、というわけにはいかねえ。一番の被害者は、親のもめ事に巻き込まれる子どもだ。
 離婚をした後の子どもの処遇について、日本は世界の例外だってこと、アンタ知ってたかい?

 日本は単独親権と言って、離婚後は父親か母親のどちらか一方が子どもを引き取る。親権を持つ方の親は、子どもを育てる権利と義務を独占する。
 たとえば、母親が親権を持っている場合。離婚した父親は、前の妻の許可がなければ子どもに会うことすらできねえ。勝手に会いに行って連れ出しでもすれば、それは誘拐として犯罪になる。もう親権がないからな。

 他方、欧米では共同親権が一般的だ。これは、離婚した後も父親と母親の双方が親権を持つやり方。子どもがどういう生活をするかというのは各カップルごとに交わされた合意によって、それぞれ違うんだが。フランスの場合、期間を区切って双方の家で過ごすことが一般的だ。
 たとえば夏休み。フランスではおおむね2ヵ月ほどあるが、このうち7月の1ヶ月間は母親と、8月は父親と、ってな具合に過ごすわけだ。中には、普段も平日の月~金だけ母親と暮らし、週末は父親の家へ行くなんて場合もあって、決して珍しくない。引き回される方の子どもにとっちゃ、たまったもんじゃないかもしれねえがな。
 もちろん、離婚した親が再婚をしたり、別の愛人をつくったりなんてこともままある。その再婚相手も連れ子がいたりして、そういう「複合家庭」ってのがフランスにはごろごろしてんのよ。教育上はあんまりよろしくねえ気もするが、当のフランス人たちは「それが現実」と意に介さない様子だぜ。


 もっとも、比べてみれば、欧米諸国が共同親権を導入した理由ってのは明らかだ。親権を取れなかった親からすれば、子どもに対するすべての権利を奪われてしまい、会うことすらままならない単独親権ってのは、いかにも乱暴じゃねえか。他方、子どものことなんざ知ったことじゃないとばかりに親権を放棄するバカ親には、いつまでも養育の義務は続くんだってことをはっきりさせる効果が期待できる。
 子どもの立場からしてみたって、多少の面倒はあっても、双方の親がかかわった方が何かといいだろう。どっちが親権を取るかってんでドロドロした争いが起きることもなくなるし、日本でも導入した方がいいんじゃねえのか。共同親権になって困るのなんて、メロドラマの作家くらいのもんだろ。


 ところが、これが国際離婚となると、一つ厄介な問題が起きてくるんだな。
 たとえばフランス人男性と日本人女性のカップルが離婚したとする。女性がもう嫌だ、クニに帰りたいってんで日本に帰ろうとしても、子連れとなるとそう簡単にはいかないのよ。
 というのも。共同親権の場合、どちらかの親が引っ越す場合には、もう片方の親に必ず居場所を連絡しなきゃならない。そりゃそうだ、自分の子どもがどこにいるのかわからなくなっちまったら、会いに行くこともできなくなる。そりゃ親権の侵害だからな。
 ちなみに、移転先の住所を知らせなかっただけで6ヵ月以下の拘禁または7500ユーロ以下の罰金、住所を知らせないまま子どもを連れて引っ越してしまうと1年以下の拘禁または1万5000ユーロ以下の罰金、となる。
 で、日本に行くならそうやって事前に言っておけばいいわけだが。フランス人の夫の方にも親権があるから、拒否することができる。なんせ日本は遠い。時間も金もかかるし、行くにはパスポートやビザが必要だ。本当に帰ってくるかの不安もある。「自分が子どもと会う上で著しい障害になる」と申し立てれば、フランスの裁判所はこれを禁じる可能性が高い。
 つまり、子どもと一緒に暮らしたいと考える限り、ずっとフランスに居続けなきゃならねえってことが、起こり得るんだな。


 そりゃさすがに受け入れられないってんで、とにかく里に帰りたいってんで、実力行使に出る人もいる。子どもを連れてエイヤッと日本に出国するわけだ。中には夫の暴力に悩み、やむにやまれずって人もいる。
 しかし、どんな事情があろうが、これは犯罪になってしまうんだな。気付いた父親が素早く警察に連絡すれば、国境での出国審査で御用ということになる。もっとも、首尾良く日本国内にさえ入っちまえば、もうフランスの法律は適用されねえ。そのまま日本にとどまってる限りは逮捕されることもない。ま、二度とフランスの地を踏むことはできなくなるがな。
 ところが、実はこの点に関しても日本は例外でね。世界の82カ国が加盟するハーグ条約ってのがあって、もともと住んでいる国の外に子どもが不法に連れ去られた場合、子どもの返還を相手国に求めることができることになっている。日本は未加盟なのよ。
 もしこの条約に日本も加われば、こんなこともできなくなる。そして、どうやら近い将来、できなくなりそうだ。鳩山前首相が条約加盟の検討を指示したからな。


 この子どもの国外連れ去り、東アジア諸国の中では日本が目立って多いらしい。在仏日本大使館がこの6月に発行したメールマガジンによると、



国際結婚された方々の一部について、不幸にして結婚生活が破綻してしまい、一方の親が他方の親に無断で子供を国外に連れ出す「国際的な親による子の奪取」等の親権行使に関する問題が報告されています。
フランス政府はこのような問題の発生について、東アジア諸国の中で、日本人が関わる事例が最も多くなっていることを指摘し、また「日本の親による子の奪取」の事例では、具体的な解決策を見出せないものが多く発生していることを憂慮し、政府として真剣に取り組む意向を示しています。




 だそうだ。韓国でもなく中国でもない、日本が一番多いんだと。韓仏カップルや中仏カップルってのがどれほどいるのかよくわからねえし、両国の離婚制度についても知らねえが、しかし人口10倍の中国よりも多いってのは率直に驚きだな。
 しかも、フランス政府がわざわざ乗り出してきて、日本大使館に対してアピールしてると。こいつはただことじゃないぜ。
 なんだってそんなことになってるのか。番長が思うに、日本とフランスでは「離婚後の生活」の常識があまりにもかけ離れてるからじゃねえか。

 日本の最高裁が出した2008年度の司法統計によると、裁判所で調停が成立するなどした20299件のうち、親権者が母親となったのは18553件(91・4%)、父親は2274件(8・6%)。そのうち生活費(養育費)の支払いが決まった6455件をみると、支払者が夫なのは6341件(98・2%)、妻は114件(1・8%)だ。
 これを見てもわかるとおり、日本では「離婚をしたら子どもは母親が引き取り、父親は生活費を支払う」というケースが一般的なわけだ。育児は母親の仕事であり、親権は母親に、という考え方が根強く残っているからだな。

 ところがフランスは、説明したように共同親権の国だから、そういう考えはまかり通らねえ。女性が働くことも当たり前の国だから、養育費を父親だけに負担させるというのもまったく一般的じゃないんだな。
 むしろ、子どもを手元へ置くためには、しっかりとした収入の裏付けがあることが肝心になってくる。フランスでは、私はこういう安定した職に就いていて、これだけの給料があるから子どもを養えますよというのを証明することが、離婚調停では最も有効になってくるんだな。「収入もない彼女のもとに子どもは置けない」と元夫に主張されたら、共同親権の国とはいえ、夫にとって有利な決定が下るだろうな。専業主婦は圧倒的に不利ってわけだ。
 しかし、ただでさえ失業率の高いフランスで、日本人がオイソレと仕事なんて見つけられねえよ。結局、追いつめられた女性が取り得る手段ってのは限られてくる。その有力な一つが、子連れでの帰国強行ってことになるようだな。


 いや、まいったね。
 これから結婚をしようという人に、離婚のときのことを考えろとはなかなか言いにくいが。国際結婚をする前には、最悪の結果も想定して事を進めた方が良さそうだぜ。




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