2009.12.31 (Thu)
フランスの大晦日名物と言えば、紅白歌合戦ならぬ……
まいったね。
フランスの大晦日には、まいったね。
フランス特有の大晦日名物って、なんだか知ってるかい。
花火でも打ち上がるのかって? 違うね。
教会のミサ? それもあるが、まぁクリスマスイブほどの盛り上がりはないわな。
アンタ、フランスをみくびってもらっちゃ困るのよ。
んなキレイゴトじゃあねえんだぜ。
フランス在住のみなさんに加えて、冬休みで旅行中よーオホホホなんて人も、よくよく大晦日には注意しなくちゃいけねえ。
在住組のみなさんにとっちゃ釈迦に説法だろうが、殊にフランスにロマンチックな幻想を抱いてる子猫ちゃんたちには、用心に用心を重ねてもらいてえ。
フランスの大晦日といえば、これ。

(フランス24より)
放火よ。
見ろよこの写真、イラクかアフガニスタンあたりで、自爆テロでも起きたのかって感じだろ?
フランスなのよ。
狙われるのは駐車されている自動車やバイク。
たいていガソリンを積んでるから、引火して大炎上なんてことも多いんだぜ。
日本では、というかフランス国外ではほとんど知られてねえようだが、いつのころからか、大晦日の夜には車が燃やされる、と相場が決まってる。
昨年、2008年の大晦日から09年元旦にかけては、1147台が放火された。結構な数だ。
愛車を燃やされちまった人にとってみりゃ、なんとも散々な年明けだよな。
放火の件数は、年を追うごとに増えているらしい。

(Rue89より)
3年前に比べると3倍に増えたそうだ。
なんだってフランス人はこんな馬鹿なマネをしでかすのか?
フランス人であるところのオレのダチ公、モナミに聞いてみたのよ。そしたら、
「メ・ノン、バンチョー! やってるのはフランス人じゃない、移民たちさ!」
どういうことかと言うと、大晦日の放火が起きているのはパリ郊外など治安の悪い地域に限られ、やっているのはそこに住む低所得者層の移民、しかも若い連中だ、って言うんだな。
職もなく、教育もろくに受けず、カネはない。未来の展望もない。そんな愚連隊たちが新年という機会に乗じて日ごろのうっぷんを晴らしてるんだ、と。
実はこの移民問題、フランスではしょっちゅう俎上に上げられながらデリケートな問題なんだが、確かにアラブ系やアフリカ系の移民が多く住む地域ってのは大都市の郊外にあって、貧しいが故に治安は悪い。
それに、報道によると、確かにパリ郊外は大晦日放火の件数が多いらしい。ちなみに、続くのはドイツ国境に近いフランス東部、ストラスブールを中心とするアルザス地方なんだそうだ。
だが、件数の偏りはあるにせよ、大晦日の放火自体はフランス全土でまんべんなく起きているようだぜ。

(Rue89より)
上の地図は大晦日の夜に放火があった場所を炎のマークで示したもの。
ご覧の通り、人口の多い都市では地域に関係なく発生していることがわかる。
これだけのデータじゃ、果たして本当に犯人が移民の若者だけなのかは、何とも言えないと思うぜ。
しかし、フランスじゃそういうことだとして、半ば常識化してんのよ。
いずれにしても、だ。
日本で不良行為、ヤンキーが問題になることがあるわな。
暴走族、ドリフト族、初日の出走行、成人式での乱痴気騒ぎ……。
番長は学ランこそ背負っているが、ヤンキーではない。連中の肩を持つ気は一切ねえよ。うるせえのはハタ迷惑だし、弱いものイジメは最低だ。
だがよ、思わねえか。フランスに比べるとずいぶん、節度を守った不良行為だな、ってよ。
枠の中で安全に暴れてるっつーか、所詮はガキのママゴトなんだよな。
おっと、念のために言っておくが、大晦日放火を褒めてるんじゃ決してないぜ、もちろん。
いずれにしても、大晦日といえば放火だ。覚えておいてくれ。
フランスで大晦日の夜と言えば、仲のいい友達の家なんかに集まってするというのが定番。街角でどうこう、って光景はそんなに目にしないぜ。
どっかでカウントダウンやってるかしら、なんて気安く出歩くのは考えもんかもしれん。気を付けてくれよな。
そうそう、知識は荷物にならねえって言うからな、もう一点だけ。
大晦日の夜以外にもう一日、自動車放火がバンバン起こる日があんのよ。いつだかわかるかい?
7月14日。そう、フランス革命記念日なんだよな。どうやら、お祭りムードに乗じてやってるらしい。
どうにもしょうがねえな。
いや、まいったね。
今年最後の更新だってのに、テーマが放火になっちまったのにはまいったね。
だがな、これがフランス本来の姿なのよ。
どなたさまも隅から隅まで、良いお年を。
アンタの2010年が、目ん玉ひんむくくらいにおめでたーい年になることを祈ってるぜ。

フランスの大晦日には、まいったね。
フランス特有の大晦日名物って、なんだか知ってるかい。
花火でも打ち上がるのかって? 違うね。
教会のミサ? それもあるが、まぁクリスマスイブほどの盛り上がりはないわな。
アンタ、フランスをみくびってもらっちゃ困るのよ。
んなキレイゴトじゃあねえんだぜ。
フランス在住のみなさんに加えて、冬休みで旅行中よーオホホホなんて人も、よくよく大晦日には注意しなくちゃいけねえ。
在住組のみなさんにとっちゃ釈迦に説法だろうが、殊にフランスにロマンチックな幻想を抱いてる子猫ちゃんたちには、用心に用心を重ねてもらいてえ。
フランスの大晦日といえば、これ。

(フランス24より)
放火よ。
見ろよこの写真、イラクかアフガニスタンあたりで、自爆テロでも起きたのかって感じだろ?
フランスなのよ。
狙われるのは駐車されている自動車やバイク。
たいていガソリンを積んでるから、引火して大炎上なんてことも多いんだぜ。
日本では、というかフランス国外ではほとんど知られてねえようだが、いつのころからか、大晦日の夜には車が燃やされる、と相場が決まってる。
昨年、2008年の大晦日から09年元旦にかけては、1147台が放火された。結構な数だ。
愛車を燃やされちまった人にとってみりゃ、なんとも散々な年明けだよな。
放火の件数は、年を追うごとに増えているらしい。

(Rue89より)
3年前に比べると3倍に増えたそうだ。
なんだってフランス人はこんな馬鹿なマネをしでかすのか?
フランス人であるところのオレのダチ公、モナミに聞いてみたのよ。そしたら、
「メ・ノン、バンチョー! やってるのはフランス人じゃない、移民たちさ!」
どういうことかと言うと、大晦日の放火が起きているのはパリ郊外など治安の悪い地域に限られ、やっているのはそこに住む低所得者層の移民、しかも若い連中だ、って言うんだな。
職もなく、教育もろくに受けず、カネはない。未来の展望もない。そんな愚連隊たちが新年という機会に乗じて日ごろのうっぷんを晴らしてるんだ、と。
実はこの移民問題、フランスではしょっちゅう俎上に上げられながらデリケートな問題なんだが、確かにアラブ系やアフリカ系の移民が多く住む地域ってのは大都市の郊外にあって、貧しいが故に治安は悪い。
それに、報道によると、確かにパリ郊外は大晦日放火の件数が多いらしい。ちなみに、続くのはドイツ国境に近いフランス東部、ストラスブールを中心とするアルザス地方なんだそうだ。
だが、件数の偏りはあるにせよ、大晦日の放火自体はフランス全土でまんべんなく起きているようだぜ。

(Rue89より)
上の地図は大晦日の夜に放火があった場所を炎のマークで示したもの。
ご覧の通り、人口の多い都市では地域に関係なく発生していることがわかる。
これだけのデータじゃ、果たして本当に犯人が移民の若者だけなのかは、何とも言えないと思うぜ。
しかし、フランスじゃそういうことだとして、半ば常識化してんのよ。
いずれにしても、だ。
日本で不良行為、ヤンキーが問題になることがあるわな。
暴走族、ドリフト族、初日の出走行、成人式での乱痴気騒ぎ……。
番長は学ランこそ背負っているが、ヤンキーではない。連中の肩を持つ気は一切ねえよ。うるせえのはハタ迷惑だし、弱いものイジメは最低だ。
だがよ、思わねえか。フランスに比べるとずいぶん、節度を守った不良行為だな、ってよ。
枠の中で安全に暴れてるっつーか、所詮はガキのママゴトなんだよな。
おっと、念のために言っておくが、大晦日放火を褒めてるんじゃ決してないぜ、もちろん。
いずれにしても、大晦日といえば放火だ。覚えておいてくれ。
フランスで大晦日の夜と言えば、仲のいい友達の家なんかに集まってするというのが定番。街角でどうこう、って光景はそんなに目にしないぜ。
どっかでカウントダウンやってるかしら、なんて気安く出歩くのは考えもんかもしれん。気を付けてくれよな。
そうそう、知識は荷物にならねえって言うからな、もう一点だけ。
大晦日の夜以外にもう一日、自動車放火がバンバン起こる日があんのよ。いつだかわかるかい?
7月14日。そう、フランス革命記念日なんだよな。どうやら、お祭りムードに乗じてやってるらしい。
どうにもしょうがねえな。
いや、まいったね。
今年最後の更新だってのに、テーマが放火になっちまったのにはまいったね。
だがな、これがフランス本来の姿なのよ。
どなたさまも隅から隅まで、良いお年を。
アンタの2010年が、目ん玉ひんむくくらいにおめでたーい年になることを祈ってるぜ。

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実は、第一回目のブログから拝読させて頂いております。私の心の中のツボにはまりまくりの内容と文体に巡り会えて、もう目が離せません。ミスフランスのお話、夏木マリさんの絹の靴下の件、クリスマスのお話、そして何と言っても貴殿の美容室での御体験。。。。。(あれからおぐしの方は如何でございましょうか、お見舞い申し上げます)フランスは2,3回行った事はありますが住んだ経験は無いので、本当に楽しく拝読しております。カナダに永住してましてフランス語ももう少しきちんとやらなきゃなあ、と思うばかりです。それでは良いお年をお迎え下さい!
くらら |
2009.12.31(木) 23:55 | URL |
【コメント編集】
ボナネってのは、良いお年を、って挨拶よ。
そんなに褒められると、番長照れちまうじゃねえか。よせやい。
治安の悪さじゃ、たとえばアメリカ大都市のダウンタウンだとか、ロシアや南アフリカ、ブラジルなど南米諸都市もたいがいひどいと思うが、フランスって世間的に、世界的にあんまりそういうイメージねえよな。そこが恐ろしいところよ。
2009年の大晦日放火がどんな状況なのかが報道されたら、また報告させてもらうぜ。
2010年もキャトル・シス・キャトル・ヌフ!
そんなに褒められると、番長照れちまうじゃねえか。よせやい。
治安の悪さじゃ、たとえばアメリカ大都市のダウンタウンだとか、ロシアや南アフリカ、ブラジルなど南米諸都市もたいがいひどいと思うが、フランスって世間的に、世界的にあんまりそういうイメージねえよな。そこが恐ろしいところよ。
2009年の大晦日放火がどんな状況なのかが報道されたら、また報告させてもらうぜ。
2010年もキャトル・シス・キャトル・ヌフ!
フランス番長 |
2010.01.01(金) 07:35 | URL |
【コメント編集】
第一回目からご愛読とは、有り難いながら何ともコッ恥ずかしいぜ。
なんせ番長、公開したあとでちょいちょい内容を書き換えたりしてっからなぁ。そのへん、黙って目をつぶっておいてもらえりゃあ、これ幸い。
最近、少しづつウェブ拍手なんかをいただく機会が増えてるようなんだが、くららさんもそのお一人かな? 励みになるぜ、ありがとうよ。
カナダにお住まいとのこと。どの国の人間と話しても、カナダやカナダ人の悪口を聞くことってないな。さぞかしいいところなんだろうなあ。番長、まだ行ったことすらないのよ。うらやましいぜ。
しかし、ケベコワ(ケベック州人)は、日常生活レベルではもうフランス語をそんなに使わねえ、フランス語話者の数は年々減ってるなんて聞くが、実際はどんなもんなんだろうねえ?
なんせ番長の周囲にいるフランス人ってのは、ケベックケベック言う割りには、どいつもこいつもケベックに行った経験自体はねえってんだからな。
2010年もご期待を裏切らないように更新していきたいと思うんで、ひとつ末永くキャトル・シス・キャトル・ヌフ!
なんせ番長、公開したあとでちょいちょい内容を書き換えたりしてっからなぁ。そのへん、黙って目をつぶっておいてもらえりゃあ、これ幸い。
最近、少しづつウェブ拍手なんかをいただく機会が増えてるようなんだが、くららさんもそのお一人かな? 励みになるぜ、ありがとうよ。
カナダにお住まいとのこと。どの国の人間と話しても、カナダやカナダ人の悪口を聞くことってないな。さぞかしいいところなんだろうなあ。番長、まだ行ったことすらないのよ。うらやましいぜ。
しかし、ケベコワ(ケベック州人)は、日常生活レベルではもうフランス語をそんなに使わねえ、フランス語話者の数は年々減ってるなんて聞くが、実際はどんなもんなんだろうねえ?
なんせ番長の周囲にいるフランス人ってのは、ケベックケベック言う割りには、どいつもこいつもケベックに行った経験自体はねえってんだからな。
2010年もご期待を裏切らないように更新していきたいと思うんで、ひとつ末永くキャトル・シス・キャトル・ヌフ!
フランス番長 |
2010.01.01(金) 07:46 | URL |
【コメント編集】
暴動=移民問題というのがフランス右翼の説だけです。車を燃やした人のなかで、白人もいますよ。
フラ |
2010.05.10(月) 23:00 | URL |
【コメント編集】
またしても意図が伝わらなかったようだが、番長記事中で、「果たして本当に犯人が移民の若者だけなのかは、何とも言えないと思うぜ」と書いたつもりなんだが。もっとも、中に白人がいることを強調しても、本質から目をそらすだけだと思うがね。しかし、よくこんな古い記事まで読んで下さったねえ。ありがたいぜ。
フランス番長 |
2010.05.11(火) 00:21 | URL |
【コメント編集】
ムシュー、番長さん。 サリュ。はじめまして、りいと申します。
今年になって、番長さんのブログを発見し、いつもいつもコメントしたいと思いつつ、シャイなもので、なかなかできず、今日、お初です。(私事ですが、これで今年の心残りは無くなりました。)
すごくブログおもしろくて~、何度でも読んじゃいます。 今年の大晦日は放火少ないといいですねー。’ツイートまとめ’も楽しく読ませてもらってます! また楽しみにしてます。
それでは Happy Holidays :)
今年になって、番長さんのブログを発見し、いつもいつもコメントしたいと思いつつ、シャイなもので、なかなかできず、今日、お初です。(私事ですが、これで今年の心残りは無くなりました。)
すごくブログおもしろくて~、何度でも読んじゃいます。 今年の大晦日は放火少ないといいですねー。’ツイートまとめ’も楽しく読ませてもらってます! また楽しみにしてます。
それでは Happy Holidays :)
りい |
2010.12.24(金) 03:22 | URL |
【コメント編集】
ビヤーンブニュだぜ。番長の記事を楽しんでいただけたようで何より。コメントなんぞ気軽に書き込んでくれりゃいいんだからな、遠慮しないでくれよ。まもなくノエルだねえ。そしてご指摘の通り、大晦日もまたやって来るねえ。バンリューで働く警察官&消防隊にはご苦労さん、と言いたいぜ。番長も年明けは今年の放火ニュースに注目させてもらうとするかな。どちらさんも良いお年を!
フランス番長 |
2010.12.24(金) 08:50 | URL |
【コメント編集】
パリ在住です。そうそう!フランスの悪いところをなんでも移民のせいにする野蛮な方がいっぱいいらっしゃるんですよねえ。そういう方のせいで頭がおかしくなって犯罪を犯す移民もいるかもと思います。
いつも詳しい分析でみんなの勘違いをやっつけて下さってありがとうございます。
いつも詳しい分析でみんなの勘違いをやっつけて下さってありがとうございます。
たんたん |
2011.03.24(木) 02:57 | URL |
【コメント編集】
たんたんさん、押忍! 何にせよ、人のせいにはしたくないもんだよなあ。生き方そのものの問題なんだろうねえ。
フランス番長 |
2011.08.08(月) 15:44 | URL |
【コメント編集】
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ふらんす番長さんの記事、読ませていただきました
自分の知らないことばかりで大変驚いたのと大変読みやすかったです
元旦はどこでも”あけましておめでとう”なんてやってるものだと思ってましたから
またフランスとか、ヨーロッパの方ってイメージだけですけど街並みがきれいだから、想像がつかない、っていうかなんて言うか…
まあどんな国でも全部の場所がきれいな街で治安も良い、っていう訳ではないのはなんとなくわかるのですが
自分自身あまり興味を持って調べたり、記事を読んだりした事がなかったので大変驚きました
それにしても、新年そうそう車を炎上させられた人は迷惑でしょうね、
本当に今日の記事にはおどろきました、
そんなこんなで、それでは良いお年を、