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2009.12.08 (Tue)

ボージョレ・ヌーボーは安酒だった

 まいったね。
 ボージョレ・ヌーボーにはまいったね。



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 フランスでアルコールって言えば、ワインだ。


 日本の芸能界でもワインブームってのがあったが、すっかり下火になっちまったな。
 そりゃそうだ、メンツを思い出してもみろよ。江川卓に掛布雅之、私の血はワインでできているとのたまったのが川島なお美だもんな。これがホントのお笑い漫画道場だぜ。


 オレこと番長の愛する酒と言えば、1に大五郎、2にビッグマン。3、4がなくて5に純。そうよ、焼酎甲種。
 ワイン? 赤玉ポートワイン上等よ。
 フランスにはピンからキリまでまあ山ほどのワインが売ってるが、オレにはどれもしっくり来ねえんだな。


 正味のところを言っちまえば、味の違いもよくわからねえ。
 フランス暮らしってくらいだからさぞかしワインについても詳しいんだろ、ひとウンチクかたむけてくれよなんて言われねえかと、始終ドギマギしてんのよ。


 そんななか、初めてオレの口にあうワインを見つけた。
 それがボージョレ・ヌーボーだったってわけよ。

 しゅわしゅわ酸っぱいとこなんざ、ハイサワーで割った焼酎さながらの味わいだ。オレは故郷(くに)を思い出して男泣きしたね。
 聞けばわが祖国・日本じゃ、ボージョレの解禁を待って空輸してるっていうじゃねえか。そうだろうそうだろう。


 ところがある日、いつも不敵なフランス野郎、モナミの一言にオレは色を失ったね。
 「ウーララ、番長! キミはボージョレなんかをありがたがってるのかい。あれはワインとは別物。季節感を演出するためだけのシロモノさ」と。

 ワン・ツーから派手なボディブロウをお見舞いされてグロッキーになっているオレに、ヤツは容赦なくアッパーカットを叩き込んできやがった。
 「ボクに言わせりゃ、あんなの馬の小便だね、カンメム!」(※)

 その場はぐっと涙をこらえたよ。番長、漢(おとこ)だからな。
 でもその夜は屈辱の涙に枕を濡らしちまった。ママン、初恋の味がレモンとするなら、フランスの味はボージョレよろしく酸っぱかったぜ。


 しかし、言われてみりゃ、ボージョレって安いんだよな。フランスでは。
 安いのはボトル2ユーロ台、せいぜい4ユーロも出せば買える。1びん300~500円くらいってとこか。
 この価格帯で買えるほかのワインって言えば、水代わりに飲むテーブルワインだもんな。
 銭ッ子はいつでも正直に物を言うぜ。


 これ、なんだかわかるかい。



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 特急列車に乗ったらまわってきた、車内販売のワゴンサービスよ。



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 な、こんなところでも売ってるだろ、ボージョレ。
 日本で言えば缶ビールか缶酎ハイ、せいぜいが白角水割ってとこだろ。新幹線の中で出張帰りのサラリーマンが、チーカマなんかをアテに飲んでる。


 いや、まいったね。
 そろそろ目を覚ましたらどうだい、祖国よ。ボージョレってのはそんなもんなんだぜ。


(※)カンメム……フランス人が大した意味もなくよく使うことば。物事を大げさに言いたいときなど頻出。



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