2009.12.18 (Fri)
番長に聞け! フランス人夫の金銭感覚、の巻
番長たるもの、弱きを助け強きをくじく、を身上にしねえとな。
今日はフランスがらみのお悩みを快刀乱麻、ズバッと解決しちまうぜ。
ふむふむ、なるほど。お困りの様子だな。
だが、アンタが馬鹿かどうか、そんなことは知らんよ。興味があるならバカロレアでも受けてみたらどうだい。
(バカロレア……フランスでいうところのセンター試験)
番長から答えられるのは一点だけ。
フランス社会にそむく考え方、ではあるかもしれんなってことだ。
フランス人であるかどうかに関わらず、50歳で結婚したような男に、家庭を顧みろったって無理な話よ。独身生活の長い人間ってのは、自分の世界を捨てられねえもんだからな。
独立自営業者であるアンタのダンナ、自分で稼いだカネを使ってなにが悪い、と思ってるだろうぜ。
日本と違うところは、フランスではこの話を聞いた誰もがダンナの肩を持つだろう、ってとこだな。
まず第一に、フランスってのは共働きが当たり前の世界。専業主婦という考え方は存在しねえ。何も仕事をしてねえなんてのは税金ドロボーくらいにしか思われねえのよ。こりゃホントの話だぜ。
フランスは女性が働きやすい社会と言われていて、まあその通りだとは思うが、裏を返せば女性も働くことを半ば義務付けられてる社会なのよ。
だから週35時間労働でも社会が回ってるんだぜ。
次に、貯金をしねえということだが、これもフランス人共通の気質。なんつっても高い税金のおかげで老後の心配をしなくていいもんだから、稼いだカネはパンパカ使っちまうのよ。
よくフランス人は長いバカンスを取るってうらやましがるよな。確かに、1ヶ月くらいはフツーに取るが、考えてもみろよ。バカンスに行くったってタダじゃねえ。1ヶ月間、ホテル暮らしをしないまでも、たとえキャンピングカーの中で寝泊まりしたって結構な出費だぜ。食事にしたって、家でつくるのが一番経済的なんだからな。
ちなみに、日本人1人あたりの平均預金残高は619万円。フランス人だと228万円だそうだ。
もう一つ。フランス人の男に家庭を守る気持ちはないのか、とアンタは聞くが。
その質問の立て方自体がすこぶる日本人的、と言わなきゃなんねえな。
男か女か、は関係ねえ。フランス人は「愛がなくなった」っつって離婚するだろ。家庭を守ることよりも、夫婦間の愛情の方が大事なのよ。
パリの離婚率は50%を超えるって話もあるぜ。根拠は知らねえがな。
おそらくアンタ、日本じゃバリバリ仕事してたんだろ。それがフランスじゃ一切通用しねえ、フランス語もままならねえで、仕事はうまくみつかんねえ。しょうがなく家事をしてるが、不安は募る一方。なのに夫は無関心。鬱屈はわかる。
俺だって似たようなもんよ。
先輩から譲り受けた伝統の学ランも、フランス人のモナミに言わせりゃ、「バンチョー、葬式にでも行くのかい」だってよ。
ゲタにいたっては「さすがはジャポン、スケート靴まで木でつくるんだね。でもフランスには鉄っていう便利なモノがあるんだよ」だと。
郷に入っては郷に従えとは言うが、フランス世間の風は冷てえよな。
スマン、番長にはアンタと一緒に泣くことくらいしかできねえ。
呑みねえ呑みねえ、ビッグマン呑みねえ!

今日はフランスがらみのお悩みを快刀乱麻、ズバッと解決しちまうぜ。
50歳のフランス人を夫に持つ日本人です。私は10歳あまり年下で、フランスでの同棲を経て結婚しました。いまはフランス語を勉強する傍ら、主婦をしています。
悩んでいるのは、夫の金銭感覚の乏しさです。彼が私に渡すお金は、食費として月々300ユーロだけ。なのに毎週花を買えだの、50ユーロもする高価な食材を買えだの、無理難題を押し付けてきます。
極め付けが唐突に始まったアンティーク品の収集。毎月1000ユーロを使い込み、支払額は計5000ユーロを超えました。今のところはビジネスが順調で、だから歯止めが掛からないようです。しかし、夫のビジネスは今後頭打ちになりそうな業種。やめるようにお願いしたのですが、やめません。
将来を考えたら、彼に貯金をしてほしいんです。
私はスーパーのレジうちでも、運転手でもいいから働きたいと考え、懸命に職を探していますが、外国人ということもあってなかなか見つかりません。
私が馬鹿なのでしょうか。フランス社会にそむいているんでしょうか。
ふむふむ、なるほど。お困りの様子だな。
だが、アンタが馬鹿かどうか、そんなことは知らんよ。興味があるならバカロレアでも受けてみたらどうだい。
(バカロレア……フランスでいうところのセンター試験)
番長から答えられるのは一点だけ。
フランス社会にそむく考え方、ではあるかもしれんなってことだ。
フランス人であるかどうかに関わらず、50歳で結婚したような男に、家庭を顧みろったって無理な話よ。独身生活の長い人間ってのは、自分の世界を捨てられねえもんだからな。
独立自営業者であるアンタのダンナ、自分で稼いだカネを使ってなにが悪い、と思ってるだろうぜ。
日本と違うところは、フランスではこの話を聞いた誰もがダンナの肩を持つだろう、ってとこだな。
まず第一に、フランスってのは共働きが当たり前の世界。専業主婦という考え方は存在しねえ。何も仕事をしてねえなんてのは税金ドロボーくらいにしか思われねえのよ。こりゃホントの話だぜ。
フランスは女性が働きやすい社会と言われていて、まあその通りだとは思うが、裏を返せば女性も働くことを半ば義務付けられてる社会なのよ。
だから週35時間労働でも社会が回ってるんだぜ。
次に、貯金をしねえということだが、これもフランス人共通の気質。なんつっても高い税金のおかげで老後の心配をしなくていいもんだから、稼いだカネはパンパカ使っちまうのよ。
よくフランス人は長いバカンスを取るってうらやましがるよな。確かに、1ヶ月くらいはフツーに取るが、考えてもみろよ。バカンスに行くったってタダじゃねえ。1ヶ月間、ホテル暮らしをしないまでも、たとえキャンピングカーの中で寝泊まりしたって結構な出費だぜ。食事にしたって、家でつくるのが一番経済的なんだからな。
ちなみに、日本人1人あたりの平均預金残高は619万円。フランス人だと228万円だそうだ。
もう一つ。フランス人の男に家庭を守る気持ちはないのか、とアンタは聞くが。
その質問の立て方自体がすこぶる日本人的、と言わなきゃなんねえな。
男か女か、は関係ねえ。フランス人は「愛がなくなった」っつって離婚するだろ。家庭を守ることよりも、夫婦間の愛情の方が大事なのよ。
パリの離婚率は50%を超えるって話もあるぜ。根拠は知らねえがな。
おそらくアンタ、日本じゃバリバリ仕事してたんだろ。それがフランスじゃ一切通用しねえ、フランス語もままならねえで、仕事はうまくみつかんねえ。しょうがなく家事をしてるが、不安は募る一方。なのに夫は無関心。鬱屈はわかる。
俺だって似たようなもんよ。
先輩から譲り受けた伝統の学ランも、フランス人のモナミに言わせりゃ、「バンチョー、葬式にでも行くのかい」だってよ。
ゲタにいたっては「さすがはジャポン、スケート靴まで木でつくるんだね。でもフランスには鉄っていう便利なモノがあるんだよ」だと。
郷に入っては郷に従えとは言うが、フランス世間の風は冷てえよな。
スマン、番長にはアンタと一緒に泣くことくらいしかできねえ。
呑みねえ呑みねえ、ビッグマン呑みねえ!

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ミント |
2010.06.23(水) 07:31 | URL |
【コメント編集】
ミントさん、押忍! 大学のことについてはいつかまとめておこうと思ってたのよ。いい機会でもあるので、記事を更新させてもらったぜ。今後ともキャトル・シス・キャトル・ヌフ!
フランス番長 |
2010.06.25(金) 20:18 | URL |
【コメント編集】
日本のフランス化を望む人は仏の税金がどれだけ高いかは一言も言いません。「仏では数週間バカンスを取る。気分一新できて仕事にも再び気持ちよく取り組め、出生率も上がった」とまとめて芋づる式に仏のおいしいとこだけ言います。「仏では元々バランスの取れた生き方をするから人生のバランスを取る必要がない」とも言いますが、自分で決めることが許されないだけと番長のサイトで分かりました。 「自分のしたことに責任をとる必要はない」と主張する理由もこれで分かりました。 ちょっとばかり謙虚に生きれば自由になれるものを... 呆れてものが言えません。
ブチ猫さん、押忍! フランス知識を売りにする文化人に限った話じゃねえが、人ってのは自分に不都合なことは言わないもんよ。そいつはウソじゃあねえからな。ただ言ってないだけで。実に都合のいい話ではあるが。威勢のいい言葉には注意が必要だぜ。
フランス番長 |
2011.01.25(火) 13:17 | URL |
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このコメントは管理者の承認待ちです
|
2012.06.21(木) 16:03 | |
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楽しく読ませていただいています。
早速ですが、パリ14大学に在籍中の番長さん、フランスの学校について教えていただけますか?
わたしが行きたいとかではなく、単なる一般論として興味があります。フランスで聞いた話が、私にとってはあまりにも不思議でしたので。
パリに旅行した時に知り合った方から、パリの大学への入学は、先着順にきまると聞きました。そして、学生には数々のベネフィットが与えられているため(メトロとか?)、中には本当にその大学に行きたいわけでなくても、そのベネフィットの為に申し込む人達もいる。その方の娘さんは、真剣に行きたくて頑張っていたけど、入れなかったそうです。今は予備校みたいなところに行って、来年またトライするとか。
勿論、ベネフィットなどの為に入った人達は、はいってからどんどん落とされて行くのでしょうが、最初の門戸は誰にでも平等に開けられているということなのでしょうか。
日米のシステムしか知らない私には、興味のあることでした。
またパリの大学は皆公立とか?
また、やはり出会った方が中3のお子さんをお持ちで、高校に入る時には、職業訓練系か学業系か(これが適切な言葉かはわかりませんが、そんなような内容でした)、決めていなくてはいけないとか伺いました。もう16才で決めなくてはいけない? 私なんて(私だけかもしれないけれど)高3でも大学でも将来何になりたいかなど、はっきりとはわかっていませんでした。
でも、こういったシステムだったら、職業訓練系高校の場合は、ここを出たら、すぐに仕事に就くだけの手ができているということなのでしょうね。また、職人さんや職人技が日米よりもリスペクトされているという意味にも解釈されて、興味深いのです。
たった数週間いただけの間に耳にはいったことですので、聞き間違い、解釈違い、その方達の、かなり個人的に限った体験談などかもしれません。
でもそういったシステムの違いと、背景の考え方などを知りたく思い、興味も持ちました。私の興味に対してお答えいただけるのは番長さんと思い(いつもフェアな書き方をなさっているように思います)、お伺いしたいと思いました。
いつか食指が動かれた時で構いませんので、よろしくお願い致しまーす。
み