2010.05.22 (Sat)
変幻自在のマリアンヌちゃんだぜ
まいったね。
マリアンヌには、まいったね。
あるときは、ブリジット・バルドー。

(ウィキペディアより)
またあるときは、カトリーヌ・ドヌーブ。

(ウィキペディアより)
しかしてその実体は!

(ウィキペディアより)
こいつは、フランスの公的機関には必ず付いてるマーク。
ご覧の通り、三色旗の白地のところが女性の顔になってるよな。
これ、単なるデザインってわけじゃあなくって、ちゃんと名前が付いてるんだな。
その名を「マリアンヌ」という。
在日フランス大使館ホームページによると、
なに、話が見えねえって?
じゃ、こいつならどうかな。

(ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」、ウィキペディアより)
見覚えあんだろ?
日本でも、世界史の教科書でフランス革命のページには必ず出てくるよな、この絵。
このトリコロールを掲げた女性、なんだってパイオツをモロ出しにしちまってんのかナゾだったが、「乳房は母性すなわち祖国を表す」だってさ。ふーん。ホントなのかねえ。
ともあれ、このひともマリアンヌなのよ。
もういっぺんフランス大使館のサイトから引くと、
だそうだ。
新しい時代のシンボルとして、マリアンヌは抜擢されたってわけだな。
ただし、歴史上に実在する人物ってわけじゃねえようだ。
起源はある。フランス革命当時、1792年のはやり歌に、マリアンヌちゃんの歌ってのがあったそうなんだな。それがいつしか代名詞的に定着したという話だぜ。
マリーとアンヌってのはそのころすごく多かった女性の名前なんだとさ。マリー・アントワネットもそうだもんな。アンヌってのも、たとえばルイ14世の母ちゃんがそういう名前ってなことだ。それをくっつけただけってことで、語の成り立ちとしてはミーちゃんハーちゃんのミーハーみたいなもんだな。
で、ともかく具体的なモデルがいねえもんだから、このマリアンヌってのは人によって全然違った解釈で表現されている。
冒頭にあげたブリジット・バルドーやカトリーヌ・ドヌーブってのもそうで、2人ともフランスのみならず世界を代表する女優だが、マリアンヌの胸像をつくるときにモデルにされてるんだな。
この胸像は役所に飾られるんだが、どうせだったらその時代でいちばんの美人に似せようってんで、そういうことになったらしい。発想が自由でいいねえ、日本の役所に吉永小百合に生き写しの像が立つかいってんだ。きたねえオッサンの胸像だったら時折見かけるがな。政治家だなんだって連中の。
ほかにも、フランスでつくられた0.5ユーロ硬貨の裏面のデザイン。

(ウィキペディアより)
これなんかもマリアンヌなんだそうだ。なんかずいぶんイメージ違うぜ。
こちらは、フランス国会の上院(元老院)にあるというマリアンヌの胸像。
.jpg)
(ウィキペディアより)
昔むかしにつくられた、値打ちのあるアンティークなんだそうだ。
小野小町なんかを見ても思うが、昔の女性ってのはやっぱ、しもぶくれの方がカワイイとされていたのかねえ。
さらに、

(ウィキペディアより)
ニューヨークへ、行きたいかーッ!
てなセリフを番長、この像を見ると福留アナウンサーの口調で思い出しちまうんだが、世代がバレちまうかねえ。おっと、番長は永遠の20歳なんでそこんとこキャトル・シス・キャトル・ヌフだぜ。
そうよ、これはニューヨークにある自由の女神像。こいつがフランスから贈られたってのは結構有名な話だよな。独立100年のお祝いだったそうだ。
実は、この像もマリアンヌを表してるんだぜ。
つまり、フランスの公的なシンボルは、アメリカ合衆国のシンボルでもあるんだな。
いや、まいったね。
よりにもよって、アメリカが嫌う、と言って悪けりゃ苦手意識の強い、あのフランスだぜ。
歴史ってヤツは、なんともまあ皮肉なことよ。

マリアンヌには、まいったね。
あるときは、ブリジット・バルドー。

(ウィキペディアより)
またあるときは、カトリーヌ・ドヌーブ。

(ウィキペディアより)
しかしてその実体は!

(ウィキペディアより)
こいつは、フランスの公的機関には必ず付いてるマーク。
ご覧の通り、三色旗の白地のところが女性の顔になってるよな。
これ、単なるデザインってわけじゃあなくって、ちゃんと名前が付いてるんだな。
その名を「マリアンヌ」という。
在日フランス大使館ホームページによると、
共和国憲法には記されていないが、その姿は国璽や硬貨、切手をはじめ、さまざまな公的機関や権限を示す印に使われており、実質的には公式なシンボルとして認められている。
なに、話が見えねえって?
じゃ、こいつならどうかな。

(ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」、ウィキペディアより)
見覚えあんだろ?
日本でも、世界史の教科書でフランス革命のページには必ず出てくるよな、この絵。
このトリコロールを掲げた女性、なんだってパイオツをモロ出しにしちまってんのかナゾだったが、「乳房は母性すなわち祖国を表す」だってさ。ふーん。ホントなのかねえ。
ともあれ、このひともマリアンヌなのよ。
もういっぺんフランス大使館のサイトから引くと、
革命によって王政が倒され、王家の大紋章や百合の紋章に変わるシンボルが必要となったのである。
だそうだ。
新しい時代のシンボルとして、マリアンヌは抜擢されたってわけだな。
ただし、歴史上に実在する人物ってわけじゃねえようだ。
起源はある。フランス革命当時、1792年のはやり歌に、マリアンヌちゃんの歌ってのがあったそうなんだな。それがいつしか代名詞的に定着したという話だぜ。
マリーとアンヌってのはそのころすごく多かった女性の名前なんだとさ。マリー・アントワネットもそうだもんな。アンヌってのも、たとえばルイ14世の母ちゃんがそういう名前ってなことだ。それをくっつけただけってことで、語の成り立ちとしてはミーちゃんハーちゃんのミーハーみたいなもんだな。
で、ともかく具体的なモデルがいねえもんだから、このマリアンヌってのは人によって全然違った解釈で表現されている。
冒頭にあげたブリジット・バルドーやカトリーヌ・ドヌーブってのもそうで、2人ともフランスのみならず世界を代表する女優だが、マリアンヌの胸像をつくるときにモデルにされてるんだな。
この胸像は役所に飾られるんだが、どうせだったらその時代でいちばんの美人に似せようってんで、そういうことになったらしい。発想が自由でいいねえ、日本の役所に吉永小百合に生き写しの像が立つかいってんだ。きたねえオッサンの胸像だったら時折見かけるがな。政治家だなんだって連中の。
ほかにも、フランスでつくられた0.5ユーロ硬貨の裏面のデザイン。

(ウィキペディアより)
これなんかもマリアンヌなんだそうだ。なんかずいぶんイメージ違うぜ。
こちらは、フランス国会の上院(元老院)にあるというマリアンヌの胸像。
.jpg)
(ウィキペディアより)
昔むかしにつくられた、値打ちのあるアンティークなんだそうだ。
小野小町なんかを見ても思うが、昔の女性ってのはやっぱ、しもぶくれの方がカワイイとされていたのかねえ。
さらに、

(ウィキペディアより)
ニューヨークへ、行きたいかーッ!
てなセリフを番長、この像を見ると福留アナウンサーの口調で思い出しちまうんだが、世代がバレちまうかねえ。おっと、番長は永遠の20歳なんでそこんとこキャトル・シス・キャトル・ヌフだぜ。
そうよ、これはニューヨークにある自由の女神像。こいつがフランスから贈られたってのは結構有名な話だよな。独立100年のお祝いだったそうだ。
実は、この像もマリアンヌを表してるんだぜ。
つまり、フランスの公的なシンボルは、アメリカ合衆国のシンボルでもあるんだな。
いや、まいったね。
よりにもよって、アメリカが嫌う、と言って悪けりゃ苦手意識の強い、あのフランスだぜ。
歴史ってヤツは、なんともまあ皮肉なことよ。

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番長、こんにちは!
ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』は好きな絵ですけれど、「乳房は母性すなわち祖国を表す」という説明は何だか後から取ってつけたような感じがします。むしろ、肌蹴た乳房は“必死さ”とか“体を張って”民衆を率いているということを表しているように思えますし、絵的には見る人の目をひきつける強いアクセントになっている、ってな感じだと個人的には思います。
うん?ややっ!?この記事は気軽な内容に見えますが、ひょっとして番長はいよいよ大革命に斬り込もうっていう、その序章なんでしょうか?もしそうだとすると、番長は演出家としても相当なものと見受けました。あるいは特に意図のない“なんちゃって”だったりして(笑)。
ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』は好きな絵ですけれど、「乳房は母性すなわち祖国を表す」という説明は何だか後から取ってつけたような感じがします。むしろ、肌蹴た乳房は“必死さ”とか“体を張って”民衆を率いているということを表しているように思えますし、絵的には見る人の目をひきつける強いアクセントになっている、ってな感じだと個人的には思います。
うん?ややっ!?この記事は気軽な内容に見えますが、ひょっとして番長はいよいよ大革命に斬り込もうっていう、その序章なんでしょうか?もしそうだとすると、番長は演出家としても相当なものと見受けました。あるいは特に意図のない“なんちゃって”だったりして(笑)。
triolet |
2010.05.22(土) 18:36 | URL |
【コメント編集】
番町殿。あたしゃ、大嫌いですよ。このマリアンヌ。郵便箱にこのマークの
入ってる封筒を見つけるたびにユウウツ。またラケットか、って。
そう、税金徴収のお知らせ。逆にこれが、アロカかなんとかでお金
もらえる、って嬉しいお知らせだって人のほうが多いんじゃないかって
想像するのも又一層ユウウツ。まいったねえ。
入ってる封筒を見つけるたびにユウウツ。またラケットか、って。
そう、税金徴収のお知らせ。逆にこれが、アロカかなんとかでお金
もらえる、って嬉しいお知らせだって人のほうが多いんじゃないかって
想像するのも又一層ユウウツ。まいったねえ。
こんばんわ、番長さん
ドラクロワは私も好きですが、やはり祖国=patrieですからどちらかというとお父さんですよね?(ラテン語の意味からすると・・・)。でもフランスでは確かに"la mere patrie"なんて言ってますからね。んー。なんだかどっちつかずですね。
そして今日のマリアンヌは女優のベアールですかね?だって今のブリジット・バルドーにはとてもじゃないですが、忠誠を誓える自信が持てません・・・。
失礼しました。
ドラクロワは私も好きですが、やはり祖国=patrieですからどちらかというとお父さんですよね?(ラテン語の意味からすると・・・)。でもフランスでは確かに"la mere patrie"なんて言ってますからね。んー。なんだかどっちつかずですね。
そして今日のマリアンヌは女優のベアールですかね?だって今のブリジット・バルドーにはとてもじゃないですが、忠誠を誓える自信が持てません・・・。
失礼しました。
annaemon |
2010.05.23(日) 07:44 | URL |
【コメント編集】
こんにちは 番長!
ドラクロワはわたしも好きですね。
躍動感があり特に裸婦像はあるゆる女性特有のものが溢れていてドラマティック。
トリコロールのマリアンヌはジャンヌ・ダルクかと思ってました。
『さらば、幻想のフランス!』 ?
番長の趣旨に反するかもしれませんが
フランスは筋が通っていて、一貫性をみせる姿勢が益々気持ちいい。
いまのところ、幻想どころか幻滅もしていない 笑。
あざーす! 番長!
ドラクロワはわたしも好きですね。
躍動感があり特に裸婦像はあるゆる女性特有のものが溢れていてドラマティック。
トリコロールのマリアンヌはジャンヌ・ダルクかと思ってました。
『さらば、幻想のフランス!』 ?
番長の趣旨に反するかもしれませんが
フランスは筋が通っていて、一貫性をみせる姿勢が益々気持ちいい。
いまのところ、幻想どころか幻滅もしていない 笑。
あざーす! 番長!
よねこ |
2010.05.23(日) 23:54 | URL |
【コメント編集】
真理アンヌかマリアンヌ・フェイスフル。
昭和ネタばかり毎度すいませんねぇ。(フェイスフルを昭和に括っちゃいけないか)
コインのマリアンヌは素朴でかわいい。結構好き。
「ユルひどく」なくてヨカッタ。
昭和ネタばかり毎度すいませんねぇ。(フェイスフルを昭和に括っちゃいけないか)
コインのマリアンヌは素朴でかわいい。結構好き。
「ユルひどく」なくてヨカッタ。
黒プリシラ |
2010.05.24(月) 00:49 | URL |
【コメント編集】
豊栄のぼるさん、押忍! 番長は浅黒い肌の色が気になったぜ。わりかしエキゾチックな雰囲気だよなあ。タヒチのお嬢さんかしらってくらいだぜ。
フランス番長 |
2010.05.24(月) 08:59 | URL |
【コメント編集】
番長もどうも、乳房イコール母性って説明には違和感があるねえ。あの時代の絵って、なんでもかんでも女性をハダカにするじゃねえか。マネの「草上の食事」とか。あの手の習いなんじゃねえかなって気がするぜ。ところで、ご指摘をいただいた、この記事はフランス革命へ切り込む序曲なんじゃねえかというご指摘なんだが……残念ながらそうじゃねえぜ。まあフランス革命なんかに関しちゃ、専門家がゴマンといることだろうし、番長が付け焼き刃でアレコレ言ってもやけどするのがオチだろうからな!
フランス番長 |
2010.05.24(月) 09:14 | URL |
【コメント編集】
ハッハッハ、お気持ちはよーくわかるぜ。マリアンヌちゃんの載ってる封筒にロクなものなんかねえもんな。どっこいフランスにいると目にしないわけにはいかねえ。ま、サルコジのニヤッと笑ったご尊顔なんかが印刷されてるよりはマシだと思って、ここはこらえるしかないんじゃねえか?
フランス番長 |
2010.05.24(月) 09:16 | URL |
【コメント編集】
現在マリアンヌのモデルになっているのはエヴリヌ・トマ(Evelyne Thomas)さんだそうだ。画像なんかを検索してもらえばわかるが、バルドーさんやドヌーブさんなんかとはまた違う感じのお顔立ちだぜ。経歴の方も女優ってんじゃなく、言ってみりゃテレビタレント。大衆受けを狙ったのかもしれねえな。しかし、バルドーさんの超動物愛護っぷりもすげえよな。
フランス番長 |
2010.05.24(月) 09:27 | URL |
【コメント編集】
番長もジャンヌ・ダルクかと勝手に思ってたことがあったぜ。フランスで女性って言えばなんたってジャンヌ・ダルクだよなあ。もっとも、いろんな人やら勢力に都合のいいように使われて、手あかにまみれ放題って感じもあるが……。そこへ行くとマリアンヌは、面白みはないけどシンボルにするにはちょうど良かったのかもしれねえな。
フランス番長 |
2010.05.24(月) 09:35 | URL |
【コメント編集】
黒プリシラさん、押忍! 番長、フェイスフルの方はよく知らねえが、真理アンヌたあ懐かしいね。11PMだねえ。日本はゆるキャラばやりだが、フランスでもああいうのがハヤっちまったらイヤだなあ。「地域戦隊」がハヤったらもっとイヤだなあ。
フランス番長 |
2010.05.24(月) 09:43 | URL |
【コメント編集】
へぇ~。あの女性マリアンヌちゃんっていうんですか?
しりませんでした。
フランスは女性名詞だから、女性の横顔なのかなぁと思ってました。
>「地域戦隊」がハヤったらもっとイヤだなあ。
流行ってはいないですけど"No life"ってインターネットチャンネル(?)では「フランス5」っていう日本の戦隊モノのパロディやってますよ。笑えます。
しりませんでした。
フランスは女性名詞だから、女性の横顔なのかなぁと思ってました。
>「地域戦隊」がハヤったらもっとイヤだなあ。
流行ってはいないですけど"No life"ってインターネットチャンネル(?)では「フランス5」っていう日本の戦隊モノのパロディやってますよ。笑えます。
フランスファイブ、さっそく調べてみたが、こいつは気合いが入ってるねえ。フランスのオタクの皆さんってのは日本人も目をひんむくくらいクオリティが高いんでびっくりしちまうよな。どこでどう人生を間違えたんだかしらねえが、入り口はなんでも結構、日本に親近感を持ってもらえりゃこれ幸いってなもんだぜ。
フランス番長 |
2010.05.25(火) 19:41 | URL |
【コメント編集】
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おかまっぽいマリアンヌですな。