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2010.02.19 (Fri)

専業主婦に居場所なし! Mai68世代

 まいったね。
 専業主婦への風当たりの強さには、まいったね。


 今回は久々に、「番長に聞け!」のコーナー。
 悩める子猫ちゃんのお悩みを、番長が快刀乱麻、ズバッと解決しちまうぜ。

 さっそく行ってみるかい。



 フランスの夫と結婚し、渡仏して3年半になる日本人です。
 日本ではデザイナーの仕事をしていましたが、フランスではなかなか仕事が見つかりません。
 そうこうするうちに子宝に恵まれ、無事に出産しました。
 現在は専業主婦として、まもなく2歳の誕生日を迎える息子を育てています。

 でも、主婦でいることに疲れ果ててしまいました。

 夫はとても優しく、理解があって、無理に仕事を探さなくてもいいよ、と言ってくれます。
 ところが、まわりのフランス人は私が仕事をしていないと知るや、「なんで働かないの? まいにち家の中に閉じこもってるの? アタマがおかしくならない? 仕事は探してるの?」と、まるで私に非があるか、気でもふれてるんじゃないかと言わんばかりなんです。
 さらには、「あなたの国では女性の労働は抑圧されてるの? 自由を奪われてるの?」なんて聞いてきます。

 それでも、他人なら笑ってすませることもできますが。
 夫の母も、同じようなことを会うたびに聞いてくるんです。最近では、夫の実家に行くのが苦痛で仕方ありません。
 夫は「気にしなくていいよ」と言ってくれますが、そんな風に割り切れないんです。

 どうしたらいいんでしょうか?
 私の周りにはおかしなフランス人が多いのでしょうか?



 では番長が質問にお答えしよう。

 一つ、アンタの周りのフランス人はごくごく標準的だ。日仏カップル、ことにフランス人男性と日本人女性による夫婦では、しょっちゅう聞くタイプのお悩みと言っても過言じゃねえぜ。

 二つ、残念ながら、これはどうしようもねえ。フランスってのはそういう国なんだ。専業主婦という選択肢は存在しない。昔はあったが、なくなっちまった。


 よう、そんな顔せず、最後まで聞いてくれよ。


 フランスに住んでるアンタなら釈迦に説法だろうが、実際、フランスで仕事をしていない女性ってのはまあ少ねえ。
 既婚、未婚にかかわらずな。
 30代でも80%の女性が仕事を続けてるっていうデータもあるくらいだぜ。

 いやいや、フランス人でも仕事を見つけるのは難しいんだ、まして日本人にとっては至難の業だってのは、よくわかるよ。もしアンタがフランス語をしゃべれねえとなれば、なおのことだろう。
 しかも、ちっちゃな子どもを育ててるときた。職探しなんて、とてもじゃねえよな。


 番長、そこは深く同情する。
 だが、フランスではそんなこと、知ったこっちゃねえんだ。
 遅くとも生後6ヵ月、たいていは3ヵ月もすれば、母親は子どもをベビーシッターに預けて働きに出かける。
 その後も立ち止まることはねえ。
 フランスってのは、保育園をはじめとする託児制度はすこぶる充実してるし、企業の方も働く母親に理解がある。そもそもサービス残業で引っ張るなんてことはないからな。ほとんどの女性は働き続けるわけだ。


 番長、女性が十二分に能力を発揮できる社会というのは、掛け値なしに素晴らしいと思うぜ。
 なんだ日本は、保育所入るのに倍率10倍だなんてのは、とんだクソッタレの後進国だな。仕事をしたいのに芽を摘まれちまってる女性はたくさんいることだろう。こいつはまったくとんでもねえ、今すぐなんとかすべきだ。

 そういう意味では、フランスは大したもんよ。


 ただ、働くことが強制されているのだとすれば、これはまた話が別だぜ。
 そして番長が思うに、フランスではすべての成人に対して直接間接に仕事を強制する空気が、確実に存在している。
 その例が今回のお悩み主が遭遇している、無邪気かつある意味でぶしつけな質問だな。


 自給自足の農家なんかを除けば、一つの家庭の中には、少なくとも一人は稼ぎ手が必要だ。ゼニっ子を稼いでモノやサービスを買うためにな。
 この稼ぎ手は、必ずしも男性である必要はない。女性が支えている家庭なんてのはゴマンとあって、かくいう番長も母子家庭の出身だからな。

 しかし、夫婦がともに働かなきゃいけないといういわれはない。
 働くのは自由だが、働かないのも自由。少なくとも片親は働かなくてもいいはずだ。そのへんでどういう形態を取るかは、それぞれの家庭に任されるべきだからな。


 ところが、家事や子育てに専念するから働かないというのは、フランスの価値観に背くことだとみなされちまうんだな。

 なぜか。
 こっから、ちと長い話になるぜ。


 なあアンタ、フランス人が何より誇りにしている歴史的な出来事、もちろん知ってるよな。
 そう、1789年のフランス革命だ。
 だがな、もっと最近のできごとで、ほとんど同じくらいに重視されてる、もう一つの革命があるんだよ。
 5月革命、メ・ソワサントウィット(Mai 68)だ。

 もともとは学生運動だったんだが、ベトナム反戦の動きとリンク、労働者の間にも広がってフランス全土で約1千万人がストに突入、国の機能は完全にマヒした。
 この動きは世界各地に波及、日本でも全共闘の活動となって現れたわけだ。


 という割とよく知られている側面のほかに、フランスではもう一つ重要な役割があった、とされているんだな。
 それが、女性解放運動としての側面だ。
 むしろ現在のフランス社会ではこっちの意義の方が強調されてるように、番長には見えるぜ。


 この5月革命は単なるスト、反戦運動ではなく、旧世代打倒という意識が強く働いていた。
 当時のフランスはまだ、古い時代の名残を色濃く残していた。今でも階級社会だが、当時は異なる階級が交わる機会なんてのはより乏しかった。
 カトリック教会も、まだまだ強い力で各地を支配していた。
 社会はより硬直していて、権威主義的だったんだな。

 で、家族には家父長制が根強く残っていた。
 大黒柱はお父ちゃん。
 女性は貞淑な良妻かつ賢母であるべきだ、家庭を守るものだ、とされていたわけよ。
 子猫ちゃんたちには到底信じられないかもしれねえが、不倫や婚前交渉なんてのも、おおっぴらには認められていなかった。
 そりゃそうだろ、協議離婚すら認められてねえ時代だ。
 この時代はまだ、世界中のどこの国でもたいていそうだがな。かのフランスも例外ではなかったというわけよ。


 だから、若者の間には社会に対するイライラのほかに、ムラムラも募っていた。
 それが証拠に、5月革命の発端となったパリ第10大学(通称ナンテール大学)の学生運動は、「女子寮に入れろ!」っていう男子学生の叫びから始まったんだぜ。

 女子寮に入れろ!
 女の子たちと、ニャンニャンゴロゴロさせろ!

 どうだいこの、若い男たちのほとばしるような性欲の炎(ほむら)。
 番長には、とてもひとごととは思えない暑苦しさだぜ。

 ま、当時の学生の名誉のために言っておくと、この男子学生の女子寮への入室禁止規則廃止要求、大学改革案への反対とともに出されたんだがな。
 レジの店員さんが若い女の子で、ニューズウイークとニュートンにデラべっぴんを挟んで差し出す男子高校生、みたいに見えなくもないぜ。うがちすぎかい。


 ともかく。
 歴史的に見ると、5月革命は、運動自体としては敗北する。ド・ゴールが総選挙に打って出たところ、運動に共鳴していた左派政党は全然議席を取れなかったからだ。右派、保守派の圧勝よ。
 騒いでいたのは一部の人間だけだったってことなんだろう。大部分の国民は、続く混乱に嫌気がさしてたのかもしれねえな。

 一方で、女性解放の動きは着々と進み、あらゆる場面で女性差別の撤廃が広がった。
 その一つが以前に書いた、協議離婚。別の一つが、人工中絶の合法化。ともに1975年のことだ。
 ピル使用もこの時期に解禁された。フランスの元国教であるカトリックは避妊を禁じている。乱暴な言い方になるかもしれんが、避妊と中絶、堕胎は煎じ詰めれば同じことだからな。フランスでは、今もコンドームよりピルの使用が避妊法としてはより一般的なんだぜ。

 仕事、雇用の機会も、その延長線上に位置する。
 以前のフランス社会では、女性が社会に出る、会社で働くなんてのはまだまだ夢物語だった。なんせ、女性に対する求人自体が乏しかったわけだからな。
 そういう空気を一変させたのが5月革命だった、というわけだ。


 なんて偉そうに書いたが、女性の差別をなくしたり、女性の社会進出を促したりといった点で、5月革命がどれほどの役割を果たしたのかというのは、実際のところよくわからねえのよ。

 たとえばピルだが、こいつは5月革命の1年前には既に解禁されていた。
 一方で、女性の労働促進で画期的だった育児休暇の導入となると、こいつは1977年まで待たなきゃならねえ。9年後のことだ。
 つまりこの時期、フランス社会は段階的に女性の権利向上へ進んでいっていたんだな。
 ドカーンと革命が起きて、ガラガラポンと社会が変わった、ってわけじゃねえのよ。ゆえにフランスでは「5月事件」なんて呼び方もする。


 しかし、実際の役割がどうだったかなんてことは、どうでもいいのよ。
 5月革命ってのはシンボルなんだ。
 大多数のフランス人は、5月革命で世の中が進歩的に変わったんだ、と思っている。重要なのはそこだ。


 今回のご相談の中に、姑が口うるせえってのがあったな。
 5月革命が起きたのは、さっきも書いたが1968年。いまから40年ほど前だ。
 当時の学生たちはちょうど60歳くらいということになる。日本で言う団塊の世代だな。

 もうおわかりだろう。アンタが結婚してまもないくらいの年齢だとすれば、姑ってのは、5月革命を自分たちの手で体験・実現してきた世代なのよ。
 アタシたちがフランスの、ひいては世界じゅうの女性たちを解放したのよ、くらいに思ってんのさ。

 だから、とりわけ「自由の侵害」「女性の抑圧」的な問題となると口やかましいんだな。
 ついでに言えば、アンタの旦那をはじめとする同世代、いまの30代あたりは、そういう親たちに赤ん坊の頃からとっぷりと物事を教え込まれてきた人たちなのよ。


 そういうフランス人から見ると、専業主婦をやってるなんてのは、何をオマエ、あたしたちが血の汗を流すような努力をしてようやく勝ち取った権利をドブに流すようなマネをしてるんだ、ってことになる。
 ライシテ同様、一種のフランス教と言っていいだろうな。
 ちなみにピルの使用もそうだ。日本では避妊といえばコンドームが主流で、ピルはほとんど使われてないよな。おそらく副作用のイメージが強いからだろう。ところが、フランス人に日本ではピルはあまり使われないって話をすると、習慣の違いということ以上に「日本は女性が避妊の権利を行使する自由をもたない、女性の抑圧されたカワイソウな国」ってな視線で見られちまうぜ。


 とまあ、そんなわけだから、専業主婦蔑視から逃れるのは、フランスに住む限りほとんど不可能だろう。

 そうは言っても仕事なんか見つからない、どうすりゃいいんだって?
 なーになに、泣くんじゃねえ。番長に任せとけ。いい解決策があるから。

 あのな、よくよく聞いてみると、フランス人の言う職業なんてのは、あやふやなものなのよ。生計を立てられるほどの収入なんかなくたって全然構わねえんだ。
 特に多いのはアーティスト系だな。画家にしろ詩人にしろ、ひとっつも作品を売ったことがなくったって、そう言い張っちまったモン勝ちなのよ。

 なに、アタシ芸術的素養は皆無なんですって?
 話は最後まで聞けよ。
 今日からアンタはジャーナリストを名乗るんだ。
 で、フランスの情報を日本語にして発信してるって言っとくんだよ。フランス人には日本語で書いてあることなんて読めやしねえ。確認のしようがねえからな。
 それじゃあまりに良心がとがめるってんなら、日本語でブログでもつけたらどうだい。アフィリエイトの一つも付けときゃバッチリだろうぜ。

 実際、それで中村(江里子)先輩や雨宮(塔子)先輩なんかと、やってることはほとんど変わらねえんじゃねえか?
 あの人たちは、テコでも自分が専業主婦だとは言わないだろう。


 いや、まいったね。
 きまじめなのは日本人の美徳だが、フランスと折り合いを付けるには、上っ面だけでもフランス人のテキトーさに合わせるのが一番だろうと、番長思うぜ。
 じゃないと長生きできねえよ。




bancho200.gif




(※)とまあ、縷々書きつづってきたが。
 フランスで働いている女性が多いのには、ここで書いたようなことがベースにあるが、実入りのいい仕事をしてない限りは夫一人の収入で家計がまかないきれない、って事情もある。
 ま、そのへんのことはまたいずれ書くぜ。たぶんな。

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11:36  |  番長に聞け!  |  トラックバック(0)  |  コメント(24)  |  編集  |  上へ↑

2010.01.24 (Sun)

Allo!Marcel はニセフランス人?

 まいったね。
 「フランス人」商法には、まいったね。


 番長も登録している「にほんブログ村」ってサイトがある。
 そこの「フランス情報」って部門で上位の常連になってる「Allo!Marcel フランス人のBlog」ってのを御存知だろうか。

 今日はみなさんに、このマルセルのブログを2倍楽しむ方法を、番長がお教えするぜ。
 まずは普通に読んでみる。うん。
 続いて、こんな風に読んでみるんだ。もしこのブログの筆者が、「フランス人を装った日本人」の手によるものだったとしたら……? ってな。


 いや、番長知らねえぜ、マルセルが何人なのか。確認する術もないしな。
 本人がフランス人だって言い張ってんだから、フランス人なんだろうよ。
 そもそもフランス人の定義自体、なんとも言えん。このへん話しだすと長くなるんで今回は割愛させてもらうが、昔っからのテーマだし、最近も話題になってるぜ。


 ただなあ。
 どうにもプンプンとニオっちまってしょうがねえのよ。
 世の中には、自分をダマす人間がいるなんて露ほども考えたことのないお嬢さんもいらっしゃるよな。
 用心に越したことはありませんよっていう、老婆心からの戯言くらいに思って聞いてもらえりゃ、これ幸いよ。


 まあさ、クレーマーみたく粘着質にやるってのは、番長の性に合わねえんだが。根拠を示さなけりゃ、単なる言いがかりになっちまうからな。なんでそう思ったかを以下に列挙させてもらおうか。


●日本語が時々、不自然にヘタになる


 ポイントは「不自然にヘタ」ってところだ。

 読んでもらえればわかるが、マルセルの日本語はうまい。そこらへんの日本人よりよほど上手だぜ。
 話すことはできても字にするのは難しそうな口語表現や、一般に外国人が苦手とする日本語英語なんかもバンバン使ってある。そうとうの手練とみた。

 勘違いしてほしくねえのは、だからおかしいってんじゃないのよ。
 日本語のうまい外国人ってのはたくさんいるよ。日本人は日本語を買いかぶりすぎるところがあって、外国人なんかにうまく話したり書いたりできるわけがないと思い込んでいるきらいがあるが、そんなこたあねえ。
 「日本人の英語」の著者マーク・ピーターセンの日本語なんてのは驚くほど明晰だし、古くは「怪談」をものした小泉八雲ことラフカディオ・ハーンだってそうだ。
 だから、日本語の上手なフランス人がいることには、何の不審もない。

 どうもおかしいのは、これだけ日本語が上手なのに、時折、突然ヘタになることだ。
 バランスがどうもおかしい。
 番長には、わざわざヘタクソな表現をぶっ込んであるように見えるんだな。


 なんでもいいんだが、たとえば最近の記事「フランス人が飲むコーヒー」(2010年1月4日付)で見ると、


・「世界でフランスのイメージは、フランス人はいっぱいコーヒーを飲むというイメージ。」

・「コーヒーをおいしいと思ったのは日本に行ってはじめて思いました。」




 って文章があるんだが、これだけ上手な日本語を書く人にしちゃ、ここだけがヘタすぎる。
 間違い方が不自然なのよ。

 よく見ると、外国人が間違えやすいとされる、助詞や助動詞、漢字の使い方なんかはバッチリなんだな。
 じゃあなんでこの2つの文章が稚拙な印象を与えるのかっていうと、それぞれ「イメージ」「思った(思いました)」という単語を繰り返し使っているからよ。
 しかしそりゃ、日本語に限った話じゃない。むしろフランス語や英語といった欧文の方が、同じ単語を繰り返すことは嫌うんじゃねえか。皮膚感覚に刷り込まれてると思うぜ。
 よりにもよって、なんでそんなところを間違うかね。


 それと、この人のブログに書いてある日本語、元になっているであろうフランス語が見えにくいんだ。
 別の言い方をすると、逆仏訳がしにくい気がしてならねえのよ。

 たとえば最初の例で言うと、「フランス人はいっぱいコーヒーを飲むと考えられています」なら、仏語の構文が見える。
 しかし、「世界でフランスのイメージは、フランス人はいっぱいコーヒーを飲むというイメージ。」となると、どうも見えてこない。
 「イメージ」という言葉が使われているが、じゃあフランス語に訳したときに「imaginer」(イマジネ:動詞)やら「image」(イマージュ:名詞)、「imagination」(イマジナシオン:名詞)をどう使えばいいのか、いまいちピンと来ない。

 ちなみにこの文、さりげなく体言止めでもある。日本語では動詞が最後に来るという原則をあえて破るというのは、なかなかの高等テクじゃねえか。


 じゃあ、ホントのフランス人の日本語ってのは例えばどうなるのか。



 日本人のフランス語を聞くと、大体いつも同じ間違いが出てくるのです。話している人の言っていることが分かりますと、間違いがあっても直さなくていいと思ってしまうでしょうね。




 とあるフランス人男性が書いた日本語を、適当に引用させてもらった。
 流暢な日本語で意味もはっきりしているんだが、日本人が読むとどこかに引っ掛かりを感じると思う。
 しかし、じゃあ何が間違っているかと問われれば、答えるのは難しいんじゃないだろうか。

 たとえば2文目は、こうするとより自然だ。

 「話している人の言っていることが分かると、間違いがあっても直さなくてもいいと思ってしまうのでしょうね」

 2箇所しか直していない。
 「分かりますと」を「分かると」にした。本来、文章をです・ます調にそろえるんであれば「分かりますと」の方が正しいはずだ。なのに、ここではだ・である調も混ぜた方が通りが良くなる。
 「思ってしまうでしょうね」の間に1文字「の」を入れたが、これも理由は説明しづらい。


 という具合に、外国人による日本語の不自然さっていうのは、説明が難しいことが多いんだな。
 番長、これに限らず外国人が書いた日本語を読むことがあるんだが、マルセルの文章からは何か決定的に違ったものを感じちまうのよ。
 日本人の考える外国人の日本語、って言うのかな。


 ま、このへんは言いがかりと言われちまえばそれまで。
 ただ、番長が最初に引っ掛かったのは日本語の不自然さだったんで、例示しておいたまでの話よ。


●フランス語も不自然


 マルセルはフランス語でも経済に関するブログを書いてるんだが、どうも読んでて引っかかるというか、こなれてない気がする。

 また、日本語の方のブログに比べて、文章量がずいぶん少ねえし、更新頻度も低い。
 番長、フランス人が書いてるブログも読んでるが、普通は逆だな。
 アクセント記号が基本的に付いてなくて、たまに思い出したように付いたりしてるのも、どうも不自然だ。


 だが、番長は他人のことをとやかく言えるほどフランス語に精通してるわけじゃねえ。
 そこで、ミクシィのフランスコミュニティで呼びかけて、ネイティブのフランス人に読んでもらえねえかとお願いしたのよ。
 中に、相当詳しく読み込んで下さった方がいて、その感想が番長の思いとぴったり一致したんで紹介するぜ。


フランス人の夫にフランス語のブログの方を読んでもらいましたが、彼曰く、フランス人だったらしない表現や、言葉が非常に多く、しかも、それぞれの日記のフランス語の文の質にもとても差があり、時には「フランス人が書いたであろう日記だけども、かなり文を書くのが下手な人」時には「完全に外国人」時には「学生。まだ文を書くのに慣れていない若い人」だと言います。



 そうなのよ。全部が全部変だってわけじゃないんだ。違和感ない文章もあるんだよな。
 ちなみに、この方が最も不自然に感じたフランス語は財務大臣に関する記事とのこと。フランス人が書いたんだとしたらびっくりするくらい短文なんで、暇な方は読んでみてもいいかもな。


●「アメブロ」「まぐまぐ」「ミクシィ」といった日本のシステムを使っている。


 マルセルのブログは2008年いっぱいまで、「アメブロ」を使っていたようだ。

 また、「まぐまぐ」でメルマガも出していた様子。


 アメブロって、フランス人が使おうとして思いつくブログじゃねえよな。
 フツーはフランスのサイトを使う。日本のサイトだと、説明書きからマニュアルから、全部日本語しかねえんだからよ。
 実際、アメブロに限らず、日本のドメスティックなブログを使ってるフランス人てのは他に見たことないぜ。

 「まぐまぐ」みたいなシステムのメルマガにいたっては、日本独自のものと言っても過言じゃねえ。
 メルマガ自体は世界中にあるが、「まぐまぐ」だけで3万8000誌で読者1000万人。これだけ個人がブログのような感覚でたくさんメルマガを出してる国ってのは日本しかないそうだぜ(参考記事)。


 そしてミクシィ。こいつも完全に日本のシステムだ。
 なぜって、日本キャリアの携帯電話を持ってないと、会員になれないからよ。昔は誰でも入れたんだがな。
 2008年4月から、海外居住者は招待を受けても入れなくなってしまったそうだ。(参考記事

 マルセルのミクシィ会員IDは20904669番。結構若い。
 ミクシィのIDは入会順だ。
 マルセルのIDの前後の会員は2008年11月の入会だということが、日記のページを見るとわかる。

 フランスでミクシィみたいなサイト(SNS)って言えば、フツーはfacebookだろうな。


 付け加えれば、フランス人が日本語でフランスについて紹介するブログの存在自体が異色。
 フランス人が日本についてフランス語で書いてるブログなら、いっぱいあるんだがな。(参考サイト

 逆に、フランスについて日本語で書いてあるブログってのは、番長がそうであるように、日本人が書いてるもんだぜ。

 さらに細かいことを言うと、マルセルのブログ、「ブログ村」の登録タイトルはアルファベットが全角なんだな。この発想も、外国人にはなかなかないかもしんねえ。


●写真が人様のものだ


 こんだけフランスについて充実した記事を書いてる割には、あんまりライブ感がねえんだよな、マルセルのブログ。その一因が写真だと思うぜ。うますぎるっていうか、作り物っぽいのよ。
 それもそのはず、ヨソから無断で拝借してるらしい写真ばっかりだからな。フランス語版のグーグルで画像検索をかければ、速攻で同じ写真が出てくるぜ。

 いや、番長あんまりねちっこくやるのは嫌いだし、もちろん全部調べたわけじゃねえがな。
 キーボードを叩くだけでチャッチャと作ってることは間違いなかろうぜ。


●「マルセル」って名前が妙にジジむさい


 こいつはミクシィで教えていただいたんだが、マルセルって名前は年寄りでしかまず見かけないって言うんだな。
 さっそく番長、調べてみたのよ。おもしろい結果が出たぜ。



s-marcel1.jpg
Prenom bebeより)



 フランス語の名付けサイトで「Marcel」という名前を調べてみたぜ。
 グラフが見にくいんで、ちと拡大してみようか。



marcel2.jpg
(同上)




 ご覧の通り、マルセルって名前が最も多かったのは1920年で、年間14521人が生まれてる。
 ところが年を経るごとに減り、1960年に入って1000人を切ると、70年代に至ってほぼ絶滅してるんだな。
 日本で言うと、おばあちゃんの名前で「ヨ子(よね)」とか「たづ」みたいな感じか。

 いや、だからどうってことでもねえよ。
 今でも名前として存在することはするみたいだし、日本でも「柴咲コウ」みたいな名前もあって、かえって格好良かったりするしよ。
 マルセルが実は60歳だったとして、そんなジジイが恋の手ほどきをしてくださってしたんだとしたら、むしろ心温まる話だ。

 もっとも、マルセル・プルーストやマルセル・デュシャンといった著名人のおかげで、マルセルって名前は誰でも納得するフランス人っぽい名前だ、ってのもポイントは高いけどな。



Marcel_Proust_1900.jpg
 マルセル・プルースト(1871-1922)、ウィキペディアより




 と、ここまで縷縷書き綴ってきたわけだが。
 まあよ、「フランス人キャラ」だってんなら、別にそれでいいのよ。

 かく言う番長も、キャラ丸出しだ。
 ウチの読者にまさかそういう人はいなかろうが、フランスをどんだけ探しても、トリコロールに塗り分けた学帽をかぶった永遠の20歳なんて男は存在しないからな。
 ちなみに番長、誕生日は7月14日(革命記念日)、所属はパリ第14大学(略称:パリキャト大)の応援部って設定になってるんで、改めて一つよろしく頼むぜ。


 だが、マルセルに関しちゃ、ワッハッハじゃすませられねえ部分がある。
 というのもこの人、ずいぶん商売熱心で、自分はフランス人だっていう肩書きを使ってあちこちでビジネスに手を出してるんだな。


 まずは、自分のブログを通じて日本人向けに本を売ってる。
 フランス人の彼氏を見つける方法、だそうだ。価格は3000円。いい値段だねえ。
 「フランス人の彼氏が欲しいなら、フランス人マルセルに聞けば間違いなし!!」だそうだ。


 よーし、今日は特別だ!
 番長がフランス人の彼氏を見つける、とっておきの方法をお教えしよう。
 しかも、マルセルと違ってお代はいらねえ。ゼロ円で結構。出血大サービスだ!
 一度しか言わねえから、よく聞いてくれよ。


 フランスへ行け!


 以上だ。

 あのな、日本人女性だったら、フランスに行けば黙っててもモテるよ。
 フランス語なんて喋れなくても全然大丈夫。英語か日本語か、さもなきゃボディランゲージだ。
 出会いの機会? そんなものわざわざ作る必要ねえよ。店員だろうが、たまたまバスを待つ列で一緒になっただけだろうが、すれ違っただけだろうが、向こうっからバンバン声をかけてくるからな。

 ていうかよ、あんまり声をかけられるんで鬱陶しいと困ってる日本人女性は枚挙にいとまがねえってほどいるが、モテないって声はただの一度も聞いたことがないぜ。


 と、番長ならアドバイスするが、まあそれじゃあ商売にはならんわな。
 純粋にフランスへのあこがれを持つ日本人女性を釣り上げてカネにしようなんざ、マルセルが何人かにかかわらず、あんまり品のいい話じゃあねえな。

 むしろ必要とされてるのは、日本人男性にフランス人の彼女を見つける方法を説く本だろ、どう考えても。
 そうだよ、教えてくれよ、番長にも! タノム!! カネに糸目はつけねえ!!!


 おっと、若干取り乱しちまったな。いけねえいけねえ。
 話を続けよう。

 もうやめちまったようだが、マルセルは以前、フランスでの仕事を日本人に斡旋するブログもやっていたとさ。
 有料でな。
 以下、2008年12月のブログの記事からの引用だ。



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【 INDEX 】
■ はじめに マルセルからあなたへ
■ 今週のおすすめの県 
■ 今、この町に仕事が多い。会社の情報
■ おいしいレストラン・ホテル情報
■ フランスの仕事の基本
■ さあ、フランスで働こう




 フランス人ですら仕事が見つからねえってんで大挙してロンドンに逃げ出してるような有様なのに、なんともありがたいメルマガだぜ。
 本当にこれで仕事が見つかるならな。


 さらに番長、ミクシィでこんな話も聞いたぜ。
 なんでもマルセルはかつて、フランス関係のコミュニティにトピックを立てていた。
 それが、例の本とか、どう見ても出会い系サイトへの誘導としか思えないようなものだったそうなんだな。

 番長にこの話を教えて下さった方は、実際にそのサイトへ行ったわけじゃない。
 だが、「クリックはしていないので断言はできませんが、それ以外何があるっちゅーんじゃ、というような書き込み」だったそうだ。
 何回も続いたもんで、この方はミクシィの事務局に通報したそうだ。

 その後しばらく、マルセルは姿を消していたそうだ。
 この方の解釈では、マルセルはフランス系のコミュニティから「アクセス禁止」をくらった。
 だから、一旦退会して再登録したんじゃないか、って言うんだな。
 なるほど、その説が正しければ、マルセルのミクシィIDが妙に若いのも合点がいく。


 どこまでが事実なのかはわからん。
 しかし、火のないところに煙は立たないって言うしな。



 とまあ、国籍に関わらず、あんまりかかわり合いになりたくない御仁なのよ。


 マルセルは番長の問いに答える形で、「マルセルは日本人?フランス人?」という記事を書いている。

 読んだ番長の感想かい?
 ずいぶんと読みにくい文章だな、ってだけよ。

 日本語がヘタだからじゃないぜ。
 理屈が好きなフランス人にしては、論理展開が破綻してて、意味がわかりにくいな、ってな。


 いや、本当のところはわからんよ。
 いろいろと珍妙ではあるが、まあフランス人が書いたものを日本人がそれっぽく訳してるのかもしれんし、日本で育ったフランス人なのかもしれんし。確率は低いような気がするが、ひょっとすると純粋にフランス人なのかもしれん。

 ただ、「外国人のフリをして書く」って手法は、実は古今東西を問わず、結構あるんだよな。

 たとえば、ユダヤ人が書いたという触れ込みで出版された「ユダヤ人と日本人」。こいつはユダヤ人の目から日本文化を比較して考察するという本で、300万分を売る大ベストセラーになった。だが、学者や当のユダヤ人から、ユダヤ書いたとはとても思えないってんで批判が上がった。結果、山本七平という日本人が書いたものだということが明らかになった。

 最近では、韓国人が日本の植民地支配を肯定したという「醜い韓国人」。最近と言っても1993年か。こいつは手のこんだやり方をしているが、大筋は加瀬英明っていう日本人がリードして書いたものだということが、やはり明らかになっている。

 さらに、「パパラギ」って本、聞いたことあるかな。サモア人酋長のツイアビが西洋型の現代文明を批判するという内容なんだが、これを書いたのはドイツ人だ。


 バレると、この手の本の擁護者ってのは、決まって同じことを言うぜ。
 書き手が何人であろうが、作品の素晴らしさに変わりはないでしょ、ってな。

 本当にそうか?
 フランスワインを名乗っておきながら、実は墨田区で作ってましたってとき、味に変わりはないよと言われて納得するんだろうか。知ってりゃ最初から買わねえだろうよ。
 頑張って口説いたら実はオカマでしたってとき、まあいいや、やっちゃおうかってなるのかい?
 なるのかい。ああ、どっちもイケる口なのね。そいつは失礼。


 ともかく、そんな理由から番長、冒頭に書いたように、コイツはことによると日本人じゃないかもしれねえな、と妄想しながら「深読み」することをオススメするのよ。

 いや、マルセルがブログに書いてるフランスの話自体は、そこそこ面白いと番長も思う。
 ただ、日本人がフランス人のフリをしてるのかと思うと、正面から読むのとはまた違った味わいがあるぜ。


 たとえば、かつてブログ上でこんなコメントのやりとりがあった。
 コメントを付けた読者の方をあげつらうつもりはないんで、日付は書かないことにするぜ。


読者) マルセルさんこんにちは、トップコメンテーターになってちょっとこそばゆい(こそばゆいって知ってますか?)私です。
マルセル) こそばゆいは知らないです。××さんちょっとこそばゆい。なんだろう。




 もしマルセルが日本人だったら、こういう茶番をどんな気持ちで演じてんのかね! と妄想してみる。
 したり顔してんのかね。あるいはキャラになりきってんのかね。また釣れた、くらいに思ってんのかね。

 妄想は広がるぜ。なぜこの日本人は、日本語がカタコトのフランス人を演じるに至ったんだろうかと。
 マルセルのブログは、フランスについて詳しく書かれている。単なる日本人に書くのは無理だ。
 おそらくフランスに住んでいるか、少なくとも住んでいた経験はある。あるいはフランス人の旦那がいるのかもしれん。マルセルのモデルになるような。

 よし、じゃあ日本人女性って設定にするか。名前はマル子だ。
 え? ネーミングセンス? これは番長の頭の中の話なんだ、黙っといてもらうわけにはいかねえか。

 マル子はフランスに来て5年、留学中に知り合ったフランス人と結婚して4年になる。
 フランス語も、日常のコミュニケーションなんかはわけない。新聞もすらすら読めるようになった。
 ところが、仕事はなかなか見つからない。フランスでいい仕事を見つけるのは大変だし、田舎暮らしのせいもある。
 子宝に恵まれず、かと言ってフランスのテレビはつまらない。時間ばかりが過ぎていく。最近は夫との会話も減った。フランス人の姑にはまた嫌味を言われた。

 街を行けば、若い日本人の女の子たちが嫌でも目に付く。
 毎年毎年、どこから湧いて出るの、あの子たち。カワイイだけで世の中渡っていけるのは今のうちだけよ。
 ここはフランスなのよ。なに日本語で話してんのよ。アタシなんて日本語で話せる相手、近くにいないんだからね。ふん、どうせろくにフランス語なんてできないんでしょ。アタマ空っぽなんだから。アンタたちなんかどうせ、何やったってうまくいかないわよ。

 待てよ! そうだ、あれをビジネスにすればいいのよ。バカな日本人の小娘たちを。
 となれば、フランス人男との恋愛術だわね。これならアタシにも経験談があるわ。けど、日本人が書いたって説得力がないし、第一見向きもされないわね。ここはフランス人の男が書いたってことにしといた方がいいな。よし、本のプロモーションために、ブログも立ち上げるか。ついでに、勉強がてらフランス語でも書いてみよっと。

 日本語のブログの方は、時にフランス人のアイデアも参考にしながら、マル子が書く。フランス語のブログは、マル子が書くこともあれば、旦那に添削してもらうこともある。旦那自身が書いたものを転載することも。
 そんな二人だから、名前を合わせてユニットにしましょう。私はマル子で、あいつはセリーヌ。マルセルってどうかしら? いいわね、ステキなアイデア! そうでしょう、アハハ!


 ……おっと、セリーヌって女性の名前じゃねえか。同性愛者になっちまった。やめやめ、以上で妄想は終了。
 どうも番長は昔から、「砂糖の手づかみ」って言われるんだよな。
 その心は、「ツメが甘い」。


 ともかく何が言いたいかっていうと、怪しいモノに近づくときは、用心してから行けよ! ってこった。
 この教訓、フランスに来てからも、きっと役立つと思うぜ。




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ウィキペディアより)



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10:29  |  番長に聞け!  |  トラックバック(0)  |  コメント(33)  |  編集  |  上へ↑

2009.12.18 (Fri)

番長に聞け! フランス人夫の金銭感覚、の巻

 番長たるもの、弱きを助け強きをくじく、を身上にしねえとな。
 今日はフランスがらみのお悩みを快刀乱麻、ズバッと解決しちまうぜ。



 50歳のフランス人を夫に持つ日本人です。私は10歳あまり年下で、フランスでの同棲を経て結婚しました。いまはフランス語を勉強する傍ら、主婦をしています。

 悩んでいるのは、夫の金銭感覚の乏しさです。彼が私に渡すお金は、食費として月々300ユーロだけ。なのに毎週花を買えだの、50ユーロもする高価な食材を買えだの、無理難題を押し付けてきます。

 極め付けが唐突に始まったアンティーク品の収集。毎月1000ユーロを使い込み、支払額は計5000ユーロを超えました。今のところはビジネスが順調で、だから歯止めが掛からないようです。しかし、夫のビジネスは今後頭打ちになりそうな業種。やめるようにお願いしたのですが、やめません。

 将来を考えたら、彼に貯金をしてほしいんです。
 私はスーパーのレジうちでも、運転手でもいいから働きたいと考え、懸命に職を探していますが、外国人ということもあってなかなか見つかりません。
 私が馬鹿なのでしょうか。フランス社会にそむいているんでしょうか。



 ふむふむ、なるほど。お困りの様子だな。
 だが、アンタが馬鹿かどうか、そんなことは知らんよ。興味があるならバカロレアでも受けてみたらどうだい。

 (バカロレア……フランスでいうところのセンター試験)

 番長から答えられるのは一点だけ。
 フランス社会にそむく考え方、ではあるかもしれんなってことだ。

 フランス人であるかどうかに関わらず、50歳で結婚したような男に、家庭を顧みろったって無理な話よ。独身生活の長い人間ってのは、自分の世界を捨てられねえもんだからな。
 独立自営業者であるアンタのダンナ、自分で稼いだカネを使ってなにが悪い、と思ってるだろうぜ。

 日本と違うところは、フランスではこの話を聞いた誰もがダンナの肩を持つだろう、ってとこだな。


 まず第一に、フランスってのは共働きが当たり前の世界。専業主婦という考え方は存在しねえ。何も仕事をしてねえなんてのは税金ドロボーくらいにしか思われねえのよ。こりゃホントの話だぜ。
 フランスは女性が働きやすい社会と言われていて、まあその通りだとは思うが、裏を返せば女性も働くことを半ば義務付けられてる社会なのよ。
 だから週35時間労働でも社会が回ってるんだぜ。


 次に、貯金をしねえということだが、これもフランス人共通の気質。なんつっても高い税金のおかげで老後の心配をしなくていいもんだから、稼いだカネはパンパカ使っちまうのよ。
 よくフランス人は長いバカンスを取るってうらやましがるよな。確かに、1ヶ月くらいはフツーに取るが、考えてもみろよ。バカンスに行くったってタダじゃねえ。1ヶ月間、ホテル暮らしをしないまでも、たとえキャンピングカーの中で寝泊まりしたって結構な出費だぜ。食事にしたって、家でつくるのが一番経済的なんだからな。
 ちなみに、日本人1人あたりの平均預金残高は619万円。フランス人だと228万円だそうだ。


 もう一つ。フランス人の男に家庭を守る気持ちはないのか、とアンタは聞くが。
 その質問の立て方自体がすこぶる日本人的、と言わなきゃなんねえな。
 男か女か、は関係ねえ。フランス人は「愛がなくなった」っつって離婚するだろ。家庭を守ることよりも、夫婦間の愛情の方が大事なのよ。
 パリの離婚率は50%を超えるって話もあるぜ。根拠は知らねえがな。


 おそらくアンタ、日本じゃバリバリ仕事してたんだろ。それがフランスじゃ一切通用しねえ、フランス語もままならねえで、仕事はうまくみつかんねえ。しょうがなく家事をしてるが、不安は募る一方。なのに夫は無関心。鬱屈はわかる。


 俺だって似たようなもんよ。
 先輩から譲り受けた伝統の学ランも、フランス人のモナミに言わせりゃ、「バンチョー、葬式にでも行くのかい」だってよ。
 ゲタにいたっては「さすがはジャポン、スケート靴まで木でつくるんだね。でもフランスには鉄っていう便利なモノがあるんだよ」だと。
 郷に入っては郷に従えとは言うが、フランス世間の風は冷てえよな。


 スマン、番長にはアンタと一緒に泣くことくらいしかできねえ。
 呑みねえ呑みねえ、ビッグマン呑みねえ!




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